音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.106 YAくらぶ 再訪

20日(日)、先月に引き続き、YAクラブの事務局を訪問しました。北上尾の駅から会員の皆さんと一緒に事務局の加藤さんの車に便乗、ログハウスへと向かいました。前回とは違うメンバー(神戸からの参加の人もいました)も加わり、またまたテンポの早い会話に圧倒されていると、本の題名や声優の名前に解説が入り、少しわかったような気になりました。

さて、ここで前回話題となった某図書館の音訳CDを聞かせてもらいました。10分も聞いていられません。即、返却したという話を思い出しました。活舌がどうの、アクセントがどうのという問題ではなく、正に自分の読みに酔っているというような感じです。これは例外中の例外だと思いますが、聴かされる利用者が気の毒です。

ところでYAクラブの音訳スタイルですが、私たちの通常の音訳とは多少違うようです。楽しい音訳、つまり、音訳者自身が楽しんでいます。会の代表の美月さん自身がダイナミックリーディングと表現されているようですが、何となくわかります。ただ、こういうと、それは音訳ですか、それでいいのですかという人が必ずいます。これが不特定多数の人に向けて読まれ、図書館の蔵書になるものなら問題があるでしょう。しかし、私たちの読書スタイルが様々なように、利用者だって同じです。たまには寝っころがって読みたいこともある。

YAクラブの音訳を初めて聴いた時、図書館のものとは違うと違和感を覚えた人が2回3回と聴いている内に、すっかりハマッてしまったという話が印象的でした。読書とはきわめてプライベートなものです。読みたいものも人さまざま。音訳の仕方もその読みがいいという利用者がいれば、それでいいのではないでしょうか。大切なことは利用者にとって選択肢がいくつもあるということだと思うのですが、みなさんはどう思われますか。

(スタッフ同行 大田)

No.105 選挙公報 続報

16日(水)岐阜アソシアの高橋館長とお会いしました。所用で上京の折を狙い、時間を作っていただきました。高橋さんは日盲社協 情報サービス部会の部会長という立場もあります。そういうことから選挙公報の音訳版を手がけていらっしゃるのでその辺のお話を一度きちんと伺いたいと思っておりました。

総務省からの委託事業だとばかり思っていたら違いました。高橋さんを中心とする選挙プロジェクトの独自の取り組みです。黙認という形らしいです。視覚障害者の情報保障という面からも国が責任を持って取り組むべきことです。私たち音訳者も視覚障害者と一緒になって、行政に働きかけていかなければならないと思います。

高橋さんたちがカバーできていない小選挙区制のことやマニフェストのことなど、私たちが協力できることがありそうです。それには読みの統一ということが課題です。マニュアルを作るべきです。その他にも「地デジ」関連の情報や、「インフルエンザ」に対する情報が不足しているそうです。正に生活情報そのものです。

全国音訳ボランティアネットワークとしては単独でできないことでも、この高橋さんたちのような方々と情報交換し、連携できればより有意義な活動ができるのではと考えています。

(スタッフ 鶴岡、居谷同行)

No.104 1通の投書から

9月1日付、朝日新聞「声」欄に、懐かしい名前を見つけました。北海道の今井房江さんです。当音ボラネットの立ち上げの頃から熱心に応援をして下さっている会員のお一人です。

内容は同紙の8月27日付夕刊に『視覚障害者のための点字版「選挙公報」が前回の3倍近い約11万2千部が印刷され各都道府県に発送される』という、記事が載りました。このことは大いに評価できるが、中途失明者の多くは点字の習得が容易ではなく、点字版の「選挙公報」だけでは片手落ち。音訳版でもぜひ同様に情報を届けて欲しいというものでした。音訳者も必要なことにはきちんと声をあげていくべきだと今井さんの投書に教えられました。

さて、マニフェストについては、こちらも私たちの会員である「テープ版読者会」(東京)に社民党から直接依頼があり、音訳をし、党に納めたと報告をいただいておりました。その他の政党のものはどこかで点字版か音訳版が出されたのでしょうか。「選挙公報」に関しては、2年前、初めて合成音声で、そして今回は肉声で読まれたと聞き及びました。

各選管から利用者に配布されているはずですが、それぞれの都道府県で、活用方法がまちまちのようです。この辺の情報が周知されているわけではなく、利用者からはもちろん、音訳者からも当方に問い合わせがあるのが実状です。

今回の衆院選で特にマニフェストに注目が集まりましたが、これも全政党のものを手分けして音訳し、その情報を1か所に集約し、貸し出すということができれば便利です。来年2010年には参院選がありますので、次の会報「音ボラネット通信」に「選挙公報」の現状のようなことを載せてみたいと思っております。(予定)

皆さまも何かありましたら、情報をお寄せ下さい。

No.103 ヤングアダルト

8月16日(日)埼玉県上尾市内にある「YAクラブ」に伺いました。主催の美月さん、事務局の加藤さんや会員の皆さんの月に1回の例会です。加藤さんのご自宅の敷地内に建つログハウスが事務局です。(事務局があるということはうらやましいかぎりです。)

基本的には読者サークルということですが、主に朗読協力員と呼ばれている音訳ボランティアが読んだものの編集やモニターなど、見えない人も一緒に作業をしているとのこと。情報交換を兼ねた「おしゃべり」が最高に楽しそうでした。その「おしゃべり」の中から「その本おもしろそう、私も読みたい(聞きたい)」となると、「じゃあ音訳しちゃえ」ということにもなるそうです。著作権のことは許諾申請部がしっかり働いています。

私自身、今までなじみのなかったヤングアダルト層(20代後半くらいまで?)向けのヤングアダルト部門に関する皆さんの知識や情報は半端ではありません。飛び交う作者名も作品名もまるでわかりません。勉強不足を痛感しました。

それぞれに仕事を持ち、趣味は歌だったり、朗読劇だったり、演劇だったりとみなさんとてもパワフル。音訳と朗読の違いはということについて、点字とは違うから感情が入るのが当たり前。小説を何かの取扱説明書と同じに読まれても困るという話には大いに納得。また、ある図書館のものはなまりがある。また、音訳者がウルウルしながら(本の内容に感動して?)読んでいるものもある。途中で返却してしまうという話には返す言葉もなし。2度、3度とおじゃまをして、皆さんの生の声をじっくりと聞かせていただきたいと思った一日でした。

No.102 雑誌「世界」プロジェクト

以前ご紹介した、月刊「世界」全文音訳化のためのプロジェクトが動き始めました。8月3日、高田馬場に関係者が集まりました。特に「文芸春秋」の編集をして下さっている「音訳百舌の会」の妹尾さんにも参加していただきました。貴重な現場の生の声が聞けて、ひとつひとつ参考になりました。

2010年3月まではテスト期間とし、4月から正式に軌道に乗せたいというのが、松井さんはじめ皆さんの希望です。今のところは千葉と東京で9月〜11月までと2月の読み手グループが決まりました。12月と1月がまだ読み手がおりません。千葉、東京はもとより、神奈川、埼玉からも参加していただけるとありがたいです。ぜひ、よろしくお願いいたします。

事務局:東京ヘレン・ケラー協会点字図書館

DAISY編集:テープ版読者会

コーディネーター:松井進さん (千葉県立中央図書館)

製作方法:音訳グループ単位による参加 録音はDAISY形式

音訳期間 − 音訳・校正(2週間)

校正−グループ内相互校正

編集−テープ版読者会

提供−東京ヘレンケラー協会から、びぶりおネット経由による配信・CDによる郵送貸し出し

今回のことは点字図書館と地域ボランティアのコラボレーションで今後のボランティア活動の方向性を考える一つのテストケースではないでしょうか。うまくいくといいですね。

*連絡先 松井進さん 千葉県立中央図書館 障害者サービス担当 電話;043−222−0116 FAX;043−225-8355

E-mail;matsui-s@library.pref.chiba.lg.jp

No.101 北海道訪問 その2

8月1日、札幌で朗読ボランティアネットワーク・北海道の研修会があり、話をさせていただきました。そもそも1年前、札幌リーディングサービスの田中隆子さんにかけた1本の電話から始まりました。札幌に伺うので何人かの方と情報交換したいと。

例年、午前中は講演、午後は分科会というパターンだったようですが、今年は午前の部に私が、午後の部には横浜市立中央図書館の川上正信さん、ということで二題の講演が並びました。例年どおりというのを変えるのは勇気のいることです。たぶん田中さんが役員のみなさんを説得するのは大変だっただろうと思いますが、全道から250人もの参加がありました。

私に関してはネットワークを立ち上げた者が、わざわざ東京から来て、足でかせいだ情報を直接伝えてくれた。このことに意義を感じ、大いなる仲間意識を持って歓迎して下さったのだと、しみじみ感じたことでした。

ある方が、私たち役員が東京へ行って、聞いてきたことを伝えるより、何倍ものインパクトがありますと言ってくれました。正にこういうことだとおもいました。ちなみに、この朗読ボランティアネットワーク・北海道はすでに立ち上げから10年が経過とのこと。すごいことです。広い北の大地に早くから横のつながりをとネットワークを作られたみなさまには、敬意を表します。ひとりひとりしっかりとした意見を持っている方が多いように、お見受けしました。お世話して下さったみなみなさまに、この場をかりてお礼申し上げます。

No.100 北海道訪問 その1

7月30日、31日、全日本盲学校教育研究大会・北海道大会に参加するにあたり、せっかくの機会なので北海道の音訳ボランティアのみなさんと交流をしたいと考えました。29日は函館で青い鳥朗読奉仕団の森田直子さんが中心となり企画を立ててくれました。東京から函館まで飛行機で約1時間、札幌まで電車で4時間というのはなんだか不思議です。

音ボラネット会員の「函館朗読奉仕会」「あゆみの会」「函館RC」みなさんが集まってくれました。日頃の不摂生がたたり、のどがやられ、咳が出、声枯れの最悪の状態の私の話を聴いて下さってありがとうございました。2008年医療関係の音訳を考えるシンポジウムに参加して下さった函館視力障害センターの伊藤淳子先生にも再会できましたし、森田さんに紹介することもできました。函館でも、頑張っているみなさんからエールを頂きました。

No.99 競い合い、助け合うコンサート2009

「競い合い、助け合うコンサート2009−羽ばたけ視覚障害音楽家たち」のチラシが早くもできました。本年は11月14日(土)、会場はいつもの杉並公会堂です。ぜひ今からご予定下さい。私とこのコンサートの関わりは何だったのかと思い起こしています。ご自身も視覚障害者でありながら若き演奏家たちに「チャンスとチャレンジの場を」と訴える主催者の視覚障害者支援総合センターの高橋理事長の「思い」に賛同したからです。

ここ数年、たくさんの方々のご協力でこのコンサートのチケットを売りさばいてきました。そんなことから今年は実行委員を仰せつかりました。7日に開かれた実行委員会に出席しました。出演者の方々とも初顔合わせ、会場側の説明を伺ったりしました。このコンサートも当初は虎の門ホールや池袋の芸術劇場でも開かれ、その頃は満席だったそうです。しかし、途中からセンターの地元、杉並でということになり杉並公会堂に移ってからは、なかなか席が埋まらなくなってという話を伺いました。できるかぎりの応援をしていきたいと思います。みなみなさまのご協力をよろしくお願いいたします。

No.98 月刊誌「世界」

先日はテープ版読者会の舛田さんと久しぶりにゆっくり情報や意見の交換ができました。相変わらず精力的に活動していて、いい刺激を受けました。特に、このページで掲載済みの月刊「世界」のことが話題となりました。利用者からの依頼で「世界」がどこかで読まれていないか探しています。私も個人的に情報を集めてみましたが、今のところなさそうです。ならば読むしかありません。

以前、このホームページで別の雑誌の読み手を募集したところ、反応がありませんでした。この時学んだことは、漠然と「音訳者募集」と出しても難しいということです。一人が読む分量、どこが(誰が)がコーディネートや校正や編集をするのか等、明確になっていないと不安ということです。そしてインタ—ネットの時代だから、沖縄や北海道からの参加も大歓迎とすると、限られた人だけになってしまう傾向があります。今回は千葉の図書館職員の松井さん(視覚障害者)が協力を申し出てくださっています。著作権のこともありますし、発行をどこにするかという問題もあります。

さまざまな方たちと連携をし、じっくりと準備を進めていって何とか、実現できるように協力したいと思います。音訳者は都内や、千葉、埼玉、神奈川等、地域限定で募集してみてはというのが、舛田さん、松井さん、私の3人の意見です。具体的にはまだ何も決まっていません、すべてこれからです。新しくなった著作権法が施行される2010年1月をメドにたくさんの人の協力で新しい音訳雑誌がまた1冊誕生したら嬉しいですね。

No.97 国際ソロプチミスト東京-葵 認証20周年記念式典

6月8日(日)浅草ビューホテルでの国際ソロプチミスト東京—葵の認証20周年記念の式典が開かれ、私もお招きいただきました。音訳仲間であり、この東京—葵のメンバーだった大場さんからの一本の電話から始まったことでした。「何とか応援したい」と。そして東京—葵からの推薦で財団法人ソロプチミスト日本財団社会ボランティア賞をいただくことができました。全国音訳ボランティアネットワークの立ち上げを評価して下さってのことでした。2007年秋札幌での表彰式は華やかで楽しい思い出です。今回の式典で、またごあいさつの時間をいただきました。「音訳」はまだまだ点字ほど広く社会に知られておりません。こういう立場で「音訳」のことをお話できるのはありがたいことです。

なお、私の他に、ラオスの山の子どもたちの支援、地雷除去の活動、、カンボジアの識字教育の推進等々、国内外を問わず活動してい方々も出席されていました。さまざまな分野でがんばっているみなさん、そして、応援して下さる皆さんが時に逡巡する背中をそっと押してくれます。この後の坂東真理子さんの記念講演に当ネットワークの事務局から、藤本、泉も参加しました。