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No.363 コンサート

みなさまよくご存知のヴァイオリニスト和波たかよしさんの「70歳記念演奏会」に行ってきました。

この度の総会で筑波大学附属視覚特別支援学校の宇野先生とご一緒に登壇していただく、新潟県立新潟西高等学校の栗川先生との打合せは、どうしようかと考えていた時、先生から「お昼を食べながら打合せをして、その後コンサートにご一緒してもらえませんか」と連絡をいただきました。
早稲田大学グリークラブのOBでもある先生は当然、音楽通でもいらっしゃいます。
JRの四ッ谷駅で待ち合わせて食事と打合せの後、生憎の雨の中、白杖と傘を持つ先生の左肘に手を添えて紀尾井ホールへ。
そして間もなく、和波さんの門下生有志によるバースデイコンサートが始まりました。
20年来のお付き合いという、川畠成道さん、孫のようとおっしゃる若きお弟子さんの一人、高2の古澤香理さんも出演。
川畠さんのことは、セカンドアルバム「アヴェ・マリア」を出されたころから密かに応援してきました。
すっかり中堅という感じで風格すら感じさせる演奏に聴き入りました。
和波さんはといえば、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調という大曲を演奏なさる姿に、70歳とは思えない若々しさを感じました。
前から2列目だったために耳で聴くだけではなく、弦を押さえる指の動きなど細々としたところにも目がいけて貴重な一時でした。

この会の発起人の代表でもある小澤征爾さんが先導で、美智子皇后もご来場になり、一段と華やかな素敵なコンサートでした。

最後にパンフレットに書かれていた和波さんの言葉が印象に残りました。

「目で物を見た経験のない私にとって幼い頃、音楽と出会えたことは、最大の幸運でした。高校生の頃からは音楽家になれば、目の見える人と同じ土俵に立てるとソリストへの夢を追いかけ、この道を歩いてきました」
そして、「音楽の力で聴いてくださる方々の心を開き和ませ、希望を持って生きるエネルギーを提供したい」と。

正に久しぶりに命の洗濯をしました。
お誘いくださった栗川先生に、感謝いたします。

N0.348 コンサート

今年の「競い合い助け合うコンサート2014  羽ばたけ視覚障害音楽家たち」も、無事終わりました。お天気に恵まれたことが幸いして、来場者が例年より心もち、多かったような気もします。
恒例のコール・トゥインクルスターで始まり、木村りえ・りさ姉妹のピアノ。特に連弾「皇帝演舞曲」は、さすが息のあった素敵な演奏でした。

また以前、音ボラのシンポジウムに利用者として参加してくれた川端みきさんには、その時のお礼をお伝えできました。オペラ蝶々夫人のアリア、「ある晴れた日に」は、透き通った優しい歌声で癒されました。

最後の踊正太郎さんの津軽三味線は、圧巻です。バチを叩くような奏法がお腹に響きます。現在、視覚障害の演奏家は踊さんお一人とか、寂しいですね。

さて今年もまた、実行委員としてたくさんの方々に応援していただき、会場に足を運んでもらいました。ほとんどが音ボラネットの会員のみなさんです。

中でも、那須塩原の松木さんは、毎回、お子さんが小さく、なかなか好きなコンサートにも行けないお嬢さんと来場。2歳半になったお孫ちゃん、帰宅するなり、ピアノを弾く真似をして拍手し、お辞儀を繰り返していたそうです。

若い来場者が少ないなか、こんなふうに子育て中のママたちも、気軽に参加してくれるといいのにと思いました。「演奏中につき出入り禁止」はありませんので。

私の田舎の小・中学校の同級生が、初参加。こんなコンサートがあるのを知らなかった。感動して涙が出そうだったと。また娘の友だちも、みんな明るいですね、と言っていました。

やはり口コミで広げていくしかないのでしょうか。

図書館職員の方、私が以前住んでいた練馬の友人・知人。そして毎回、ご両親をお連れして参加してくれる方。音ボラ事務局からも何人も参加してくれました。

特に猪俣は、いつも地元の複数の利用者を誘って来てくれます。みんなで楽しくランチをして、音楽を聴いて、楽しいプチお出かけ。これもいいですね。

またこちらもいつものことですが、当日は参加できないのに、チケット代を送ってくれる人も。
みんなありがたいです。

紹介しきれなかった全ての人に、この場を借りてお礼を申しあげます。

また、主催の高橋理事長ご夫妻が、変わらずお元気なのが何よりです。私は、高橋さんの「思い」に賛同して応援しているので、ぜひいつまでもお元気でいていただきたいものです。

更に高橋さんをサポートして窓口を一手に引き受けている星野さんはじめセンターの皆さま、お手伝いの皆さま、お世話になりました。
また一年後お会いしましょう。

事務局の大田が言っていました。懐かしいみなさんにお会いできる「七夕チャンス」でもありますと。  全く同感!!

No.343 視覚障害者のコンサートにからめて思うこと

かねてよりご案内の『「競い合い助け合うコンサート2014」羽ばたけ視覚障害音楽家たち』が、10月25日(土)杉並区の勤労福祉会館ホールで開催されます。いつもの通り、たくさんの方にお手紙を書いて協力をお願いしております。
秋の一時、ぜひご来場の上、視覚障害音楽家たちにエールを送っていただけるとありがたいです。

ところで話は変わりますが、視覚障害者に対する心痛む事件が続いています。
ひとつは、お仕事中の盲導犬が刺されるという事件です。
盲導犬は、むやみやたらに吠えないというふうに訓練されているため、この時も、視覚障害者には、何が起こったのか、すぐには気がつきませんでした。
以前、「ベルナのしっぽ」を書かれた郡司ななえさんから聞いた話です。
盲導犬ベルナと信号待ちをしている時、「ワンちゃんに誰かがタバコの火を押し付けていたよ」と、通行人から言われたことがあるそうです。「ワンともスンとも言わないから、わからなかったけど火傷をしていた」と。

そして、つい最近では、盲学校の女子生徒が通学途中、点字ブロック上を歩行中に前から来た人に白杖が当たり、膝の裏を蹴られけがをしたという事件がありました。

盲導犬は目の代わり、白杖もしかりです。点字ブロックは安心して歩ける誘導ブロックです。

視覚障害者の生活や学習や読書環境について、知らない人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
私もよくみなさんと共に歩いたり、乗り物に乗ったりしますが、ほとんどの人は、とても親切です。パッと道をあけてくれたり、席を譲ってくれたりします。

でもこれは、もしかしたら見えている私が一緒だからなのでしょうか。

思うに例えば目が見えない、耳が聞こえないということの不便さや怖さということ等に対する想像力が欠けているのではないかと思います。

さて、そういうことからも、今回の事件は、腹立たしいそして悲しいこと、視覚障害者にとっては、恐ろしいことです。しかし、マスコミに取り上げられ世間の耳目に触れることは、不幸中の幸いだと考えます。

新聞には、盲導犬や聴導犬の使用者団体が、罰則強化や再発防止を厚生労働大臣に要望したとありました。多くの人に知ってもらうことが大切ではないでしょうか。

そこで話を戻しますが、冒頭のコンサートの出演者は、ほぼ全員視覚障害者ですし、聴衆のなかにもいます。
ご自身だけではなく、他の方にも声をかけていただきたいと思います。特に視覚障害者のことを知らないみなさんのほうがいいのではと、今更ながら思いました。

私も今回は、娘や息子の友人だったり、田舎の同窓生の親子だったり、まるで音訳とは関係ない人たちが参加してくれます。本当にありがたいと思います。
理解の輪が大きく広がることを祈ります。
会場でお待ちしております。

No.332 競い合い助け合うコンサート2014

年に一度の視覚障碍者のコンサート「競い合い助け合うコンサート2014」が、昨年と同じ杉並区内西荻地域区民センターで、10月25日(土)、開催予定です。ますますお元気な高橋実視覚障害者支援総合センター理事長を中心に、実行委員会が開かれました。

女性コーラス、コール・トゥインクルスターのみなさん、ソプラノの川端みきさん、津軽三味線の踊正太郎さん。そして実行委員会に出席のピアノの双子の姉妹、木村りえさん、りささんが登場です。

この木村姉妹は、8年ほど前にこのコンサートに出演したことがあるそうです。でも私は、まだその頃は、このコンサートには、関わっていなかったので、今回初めてのご対面でした。
小柄な可愛い姉妹です。どんな演奏を聞かせてくれるのか、今から楽しみにしています。

10月は、行事の多い時ですが、今から25日(土)を開けておいてくださると嬉しいです。

私もみなさんのご協力の下、チケットの売りさばきには、変わらず協力しますので、若い演奏家のみなさんには、一人でも多くのファンができるように、頑張ってほしいと思います。

高橋理事長の熱い思いによって毎年開催されているこのコンサートのステージに立てることに感謝しつつ、より多くの人を集められる演奏家に育ってほしいと願っています。