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No.365 嬉しい連携

音ボラネット設立当初から、切っても切れないご縁の図書館との連携を、模索し続けてきた身としては、何とか1日も早く形あることができないかと悩んでもいました。
多くが、「ボランティアとの連携ねえ、難しいなあ」と。
更には今でも、「職員が録音図書を製作できるわけでもないのに、ボランティアというと一段低く見る人たちがいる」と言ってくる人たちがいて、嘘みたいと思われる向きがあるかもしれませんが、「ボランティアの地位の向上を図ってもらいたい」という要望があるのです。

決して決して録音図書が足りているわけではないのです。仲良く協力しあわなければならないのですよね。
そんななか一人、「おっしゃるとおり」と言ってくださったのが、新宿区立戸山図書館の大城館長でした。着任以来、その努力の結果、音訳依頼が一気に増えて、自館の音訳者だけでは足りず、音ボラネットに協力要請がきたのです。図書館連携プロジェクトとして、今年度もまた協力関係が続きます。
更にその館長から、こういう協力体制が他の地域でもできないかと提案がありました。

戸山図書館は図書館流通センター(TRC)運営館です。TRCが受託する全国の図書館と地域の音訳ボランティアとの連携が実現するかもしれません。
クリアすべき課題もあるでしょう。すんなり行かないかもしれません。
でも全国の地域ボランティアや社会福祉協議会で活動しているみなさんが製作した録音図書が、全国展開でき、一人でも多くの利用者の手元に届けられる道が開けるとしたら、こんなに嬉しいことはありません。

No.320 図書館連携プロジェクト

もう何年か前のことになりますが、いつもの通り飯田橋のボラセンで、賑やかに作業をしていると、覗き込む一人の男性がいました。

「図書館に関係しているので、興味があります」と。そして「お隣に熱心な女性館長がいますよ」とも。新宿区立戸山図書館の大城館長のことでした。
早速にご連絡をすると、「お待ちしていました。お話は、聞いています」と。

それ以降、こちらからの各行事へのご案内に対して、館長自ら、または障害者サービス担当の川口さんが都度、参加をして下さっています。

私も何度もお訪ねして、信頼関係を築いてきました。私もあちこち、おじゃましていますが、こういう腰の低いというか、「ボランティアさんあっての図書館です」とおっしゃっる館長は、はっきり言って珍しいです。

そして、こういう熱心な館長のもと、みなさん一丸となっての「営業努力」の結果、利用者からの依頼が増え、代表の南部優子さん率いる「新宿区声の図書館研究会」だけでは、間に合わなくなり、私たち音ボラネットへの協力依頼となったのです。図書館連携プロジェクトとして、2013年度依頼分12タイトルをすべて納品しました。

その後で、顔を合わせての年一回の打合せがありました。

みなさんのおかげで、読みそのものは、ほぼ問題なし、と言っていただきました。処理の仕方で、ばらつきがあるので統一をということで一致しました。
みなさんからの完成品は、音ボラネットの製作品として、新宿区に買ってもらっているという形になっています。

ですから、この図書館連携プロジェクトの事務局でも完成品の質の問題は、最大の関心事となっています。信頼関係が壊れるのは、簡単。築くのは、大変です。

ところでこの頃、図書館職員の対応が丁寧になったとか、親切になったという声が聞こえてきます。更に聞いてみると、そこの図書館が、図書館流通センター(TRC)に業務委託したとか、指定管理になったということが、大きな要因になっているようです。
もちろん、大城館長も川口さんもTRCからの派遣です。
ですから、結果を出すということが、大きなポイントになるのでしょう。だから、頑張るのよという声もあります。

でもそれは、どこの世界であれ、目標を掲げ、結果を出すのは、自然の流れではないでしょうか。努力、工夫をしない所は、どんな分野であれ、結果が出ないのは、当然です。
音訳ボランティアの世界でも、いい意味での競争は、必要かもしれません。