音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.549 子どもたちへの種まき

近くの小学校の4年生に、視覚障害者のことを話す機会をいただきました。

担任の先生からは、簡単に子どもたちにもできることをということでしたが、4年生の理解度がわかりません。

先ず、100均のスケッチブックを買い、言葉を提示しました。

更には、当会の副代表のアイデアで、ほんの3行ほどの文章を点訳ボランティアさんに打ってもらいました。それを全員に配りました。

それから私の自己紹介を目をつぶって聞いてもらいました。

また、話の合間に、短い文を2種類読みましたが、その時も同様に目をつぶってもらいました。

90人ほどの子どもたちに応えてもらったりしながら、40分ほど話しました。

次の日には早速、子どもたちからお手紙をもらいました。

先生からは、「話はもちろんのこと、言葉を提示してくださったり、点字を打ったものを準備してくださったりと、さまざまな手立てをとってくださったことで、子どもたちにとって、よりわかりやすく、たくさんのことを知ったという、充実感いっぱいの時間になりました。その嬉しかった思いを手紙にしました」と。

視覚障害者には、全盲と弱視の人がいる。

大きな困りごとに、歩くこと、読み書きがある。

その歩くことのサポートに、白状、盲導犬、ガイドヘルパーがある。

読み書きのサポートには、点字、音訳があるということなど、ざっくり話しました。

「点字を勉強したい」「音訳が、時間がかかるということにおどろいた」「AIではなく、人の声がいいという人がいることに、びっくり。ぼくだったら早いAIを選ぶ」

「おばあちゃんが目が不自由で、音訳のことは知っていた。音訳って大変なんだとわかった。これを機に、自分で読んで、おばあちゃんにわかりやすいか聞いてみようと思った」

「目の見えない人になりきるために、目を閉じてお話を聞くと、いつもより、しっかりくっきり聞こえたような気がした。目の不自由な方は見えない分、感覚や聞く力がするどいのかなと思った」

更には、ホームからの転落事故が後をたたないということに、多くの子どもたちが、声をかけたいと書いてくれていました。

瑞々しい感性に溢れたお手紙に、私の方もたくさん学ばせてもらいました。

全ての障害者に優しい気持ちを忘れず、いろいろなことに挑戦していってほしいと思います。

私の話をしっかりと受け止めてくれたみなさん、ありがとうございました。

No.548 久しぶりの大阪 その2

日図研の研究大会に参加するならいつも通り、地元の音訳ボランティアのみなさんと、交流しようと思いました。

研究大会の前日、寝屋川市にお邪魔することに。

府内で唯一の団体会員「朗読ボランティアにじの会」です。

13時30分からの交流会に合わせ、東京駅10時発ののぞみの乗車券を事前購入。

駅に到着すると人身事故で、全ての新幹線がストップ。

私が乗るべき車両は、いつ出発するかは不明。

急ぐなら、事故前に発車間際でストップがかかった車両から順次発車させるので、それに乗車するのが、ベスト。但し自由席になると。

当然、自由席は満杯。

幸い、すでに座っていた人が、別の車両に移るからと座席を譲ってくれました。ありがたい。

結局、1時間50分ほど遅れて発車しました。

にじの会のみなさんには、2時間近くお待たせしてしまったにも関わらず、20名ほどのみなさんが、待っていてくれました。

本当に申し訳ありませんでした。

大阪には、日本ライトハウスがあるので、情報は入ってくるのではと思いましたが、そんなことはないようです。

話の合間に、当事務局製作のCDを聴いてもらいました。

ほとんどのみなさんがそうでしょうが、他で製作されたものを聴く機会がないのです。喜んでもらいました。

質の向上を図る上からも、聴きやすいもの、そうではないものを、図書館にお願いして聴かせてもらってください。

研修の一環として、職員同席で。問題ありませんのでとお伝えしました。

こちらでも地方の現状を垣間見た気がしました。

でも、関西弁で悩みながらも、みなさんがんばっています。

ネットワーク発足当初の写真をたくさん見せてもらいました。

私を筆頭に、みんな若かった!懐かしかったです。

みなさま、ありがとうございました。

No.547 久しぶりの大阪 その1

2泊3日で大阪に行ってきました。

そもそもは、2日間にわたる、日本図書館研究会(日図研)の第65回研究大会に参加するためでした。

日本図書館協会(日図協)は、馴染み深いところですが、お粗末ながら日図研は知りませんでした。

多くの図書館員と図書館協会者が集い、協力し合って研究と実践の融合を目指して活動しています。

初日には、個人とグループに分かれた研究発表。

2日目には、「読書バリアフリーと図書館」と題したシンポジウム。

関西における「読書バリアフリー」の動向に興味がありました。

どうせなら初日も覗いてみようと2日連続の参加となりました。

何と何と、大学の先生方(研究者?)の多いこと、さらには、富山、福井、新潟、東京、福岡など遠方からも多数。

さて初日のグループ発表、日本点字図書館立花館長の「点字・録音図書提供と著作権法の改修 点字図書館における1970年以前の実態についての具体的検討」を大変興味深く伺いました。

点字図書館でも点字・録音図書の製作に当たり、著作権者に許諾を求めていた時代がありました。

ほとんどの人は、許諾葉書を返送してくれます。でも許可でも不許可でもなく、葉書が戻ってこない例が40%近くあったようです。

これは、その作品が録音図書として製作出来なかったということです。

当時は自著を「声に出して読まれることを想定して、書いてはいない」というように、声で表現されることへの不安が大きかった時代です。

こういう歴史を経て、今の私たちの録音図書製作があります。

改めて著者へのリスペクトを忘れず、心し丁寧に製作していかなければならないと、考えさせられる発表でした。

初日の夜の交流会は、大変有意義でした。

2日目のシンポジウム。読書バリアフリーがなかなか浸透しないなか、西でも東でも、大都市でも地方でも、このような企画が開催されることを期待します。

 

 

名もない花たちの《南相馬市支援チャリティー・コンサート》

視覚障碍者が中心となって活動している名もない花たちの会です。

このたび、下記のプログラムの通り3月24日(日)14:30より仙台市シルバーセンター交流ホールにて「名もない花たちの《南相馬市支援チャリティー・コンサート》」を行います。

皆さまのご来場を心よりお待ち申し上げます。なお、コンサートの様子はFacebook Liveで同時配信いたします。

https://www.facebook.com/1853614604740497/

このメールの転送を歓迎いたします。

名もない花たちの会 山下剛

会報発送の遅延について

会報「音ボラネット通信」第50号を16日付けで発行しました。
本来ですとすぐにクロネコメール便でお送りしますが、今回、ヤマト運輸との契約条件更新が必要になり、発送が1週間遅れることになりました。

会報はすでにクロネコさんにお預けしています。

大変申し訳ございませんが、お手元に到着までもうしばらくお待ちください。

なお、テキスト版につきましては、準備ができ次第お送りいたしますので、こちらも少しお待ちください。

ハートネットTV「瞽女唄が響く」放映(1月16日) 

藤田が行く‼No.543で紹介されている瞽女唄の広沢里枝子さんが
NHK Eテレに登場いたします。

1月16日(火)午後8時から

番組情報はこちらです ↓

瞽女(ごぜ)唄が響く – ハートネットTV – NHK

見逃した方も1週間

NHKプラスでも視聴できます。

No.546 2023年最後の講演

昨年のことで恐縮です。

昨10月、長野県視覚障害者福祉協会主催の音訳ボランティアセミナーに参加した折、「うちの会にも来てくれますか」と声をかけられました。

そして正式に、塩尻朗読ボランティアグループから、講演依頼が来て、12月半ば、粉雪舞う塩尻駅に降りたったのでした。

広報とプライベート録音図書製作が主な活動のようです。

これからの会の行方、運営を前向きに考えたい人たち、現状維持でと考える人たち。

まあ、どんなに熱心で活発に活動している会でも、大なり小なり温度差はあります。

特にこちらの会の若手や意識の高い人たちは、悩んでいるように見えました。

私に与えられた演題は、『全国の音ボラネットの会員の状況からみた「塩尻朗読ボランティア」の活動に提言する」というものでした。

⚫︎利用者を増やすには ⚫︎会の中の一人一人の思いが、異なる場合の対応 ⚫︎会の一人一人を活かせる活動 ⚫︎利用者のサピエの活用状況

などなど、前もって質問がたくさん挙げられていました。

それらの質問に応える形で話を進めました。

第一は、無償で音訳している広報について、無償はやめましょう。先ずは、行政の窓口と話し合いの場を持つこと。しっかりとした信頼関係を築くこと。そのためにも交渉術を磨くことが大切。

更には、ボランティアなんだから、無償で当然、昔からそうやってきたという、古くからのメンバーとも、よく話し合う。

これは、全てに通じること、会の中の風通しをよくして、何でも話し合うことです。

せっかく縁あって集った仲間です。お互いに尊重しあいながら。

この広報については後日、勇気を持って交渉してみますと、連絡がきました。

一歩前進となれば、嬉しいです。

更にはモチベーションをあげるためにも、国立国会図書館へのデータ提供を考えてみてはと提案しました。読みのスキルアップのためには、講習会もしっかりやりましょう。たまには、外部講師を呼べるといいですね。

予算的なことから、厳しいなら、他のグループと共同開催でも、いいのでは。

みなさまが生き生きと楽しく、活動できますように、応援しています。

会の貴重な男性の1人、茂原会長が、市立図書館のバリアフリー担当者にもお声かけしてくれて、参加していただけたことは、本当によかったです。

こちらとも、友好関係を。

私の来館を歓迎してくださったみなさま、更なる前進を期待しています。

ありがとうございました。

No.545 映画「桜色の風が咲く」テレビ放映

明けましておめでとうございます、というのも憚られることが起きました。

よりによって元日から、能登半島地震、続く羽田空港での飛行機の炎上。

亡くなられた方々とご家族のみなさまへのお悔やみ、被害に遭われた方々へのお見舞いを申し上げます。

さて、暮れにメーリングリストで流れてきた情報がありました。

映画「桜色の風が咲く」が、テレビ放映されるというものです。

盲ろうの東大教授 福島智氏と母令子さんをモデルにした映画です。

智少年が、9歳で失明。その後、徐々に聴力も失われ18歳で失聴。後に全盲ろう者として大学に合格するまでの日々を、母親の視線で描いています。

2022年封切りと同時に、劇場に足を運んだのですが、あまりの観客の少なさに、残念でなりませんでした。

テレビだったら、もっとたくさんの人に観てもらえるかもと考えました。

私がスマホに登録してあるなかの、200人くらいのみなさんにショートメールとLINEで放映を紹介しました。

音訳ボランティアにはもちろん、私の個人的な友人・知人にも。

長年のご無沙汰の果ての、突然のショートメールにもかかわらず、みなさん喜んでくださいました。

そして、ご自分だけではなく、グループのみなさんや知り合い等にも、情報を流してくれました。

ある音訳講師は、1人で80人もの人たちに連絡してくれました。

みなさんの熱意に感謝しかありません。

そして放映後、スマホに次から次へとお礼と感想が寄せられました。

ある年配の方の感想です。

「今、胸がいっぱいです。悲しいわけではないのに、涙が出ます。久々の感情です。感動しました」

先ずは、盲ろうのそして、他の障害への理解の輪が広がることを祈ります。

ホーム・ページに、即座に掲載したのですが、私が連絡した誰一人として、HPを見て知っていましたという人がいなかったことは、残念なことでした。

この機会に懐かしいみなさんと、やりとりができ、みなさんに喜んでいただけたこと、本当によかったです。

ご協力くださったみなさま、ありがとうございました。

いつも、こんなふうに情報がスムーズに伝わると助かるのですが。

スマホ、恐るべし

『桜色の風が咲く』Eテレで放映されます!

全国盲ろう協会理事の福島智氏と母・令子氏をモデルとした映画『桜色の風が咲く』が、2024年1月3日14時から、NHKのEテレで放映されます。

9歳で失明するまでの幼少期、失明後、聴力も徐々に失われ、18歳で失聴するまでの青年期、そして、全盲ろう者として大学に合格するまでの日々が母親の視線を通して描かれています。

字幕、音声解説付きでご覧いただけます。

是非ご覧ください。

**NHKプラス で、10日午後3時53分まで視聴できます**