No.436 千葉市での研修会

千葉市中央図書館主催の千葉市図書館音訳研修会に呼んでいただきました。

通常二日間に分けて、という日程のところ、図書館と私の方の調整がつかず、午前・午後の二回ということで、一日通しの研修会になってしまいました。

受講のみなさんには、寒いなか(もちろん会場内は暖かです)長時間で大変だったろうと思います。

中央図書館には、「なごや会」メンバーの大川和彦さんがいます。2014年の当会のシンポジウム「利用者のホンネに迫る」に発表者の一人としてお招きしました。

その時、大川さんは、音訳者も色んなことに興味を持ち、さまざまなイベントにも参加して、引き出しをたくさんもってほしいと言われていました。

昨年の「BABAフェス」や出版UD研究会とのコラボだった「なごや会」での私たちの発表を聞いて、今度千葉でもそんな話をしてほしいと言われていました。

そんなわけで、先ずは音訳周辺への理解ということで、音訳の始まりからサピエのことまで話しました。
視覚障害者の現状から、そもそも音訳とは、録音図書の質の問題等々。

そしてすべて音ボラネットの会員さんが音訳した「聞きやすい、内容がきちんと理解できる」読みを聞いてもらいました。

マンガ「こちら葛飾区亀有公園前派出所」「君の膵臓をたべたい」など、合成音声も。

ほんとうは「聞きにくい、質に難あり」もサンプルとして聞いてもらいたかったのですが、入手できず残念ではありました。
口で説明しても限度があり、あまり伝わりません。

以前は、「ありがとう」としか言えなかった利用者さんが、はっきりとものをいう人が、増えたとか、サピエのおかげで耳が肥えた等で、こんなのは聞けないと言う声があがるようになりました。

質が大事だということしっかり、頭に入れてください。他人事ではなく、自分のこととしてとらえましょう、と話しました。

点字図書館と公共図書館の両方で活動している人が多い地域のようでした。ほとんど利用者さんとの接触がないとのこと。

更には「点字毎日」の墨字版や「視覚障害」という月刊誌も持参し、回覧しましたが、その存在も知らない。
また「サイトワールド」も知らない。
それはやはり、問題ではないでしょうか。

「点字毎日」は図書館においてあるそうです。

利用者との懇談会のようなことをやってくださいとお願いしました。
音訳者側からも何かあれば、図書館に要望したらどうでしょう。

でもせいぜい、「うちのボランティアさんは、文芸書を読みたがるんで困ります」なんて言われないようにしましょう。

同じ目的、目標に向かって仲良く頑張りましょうね。
みなさまありがとうございました。

6 thoughts on “No.436 千葉市での研修会”

  1. こんにちは。

    サイトワールドの事ですが、ブログで利用者さんのイベントのように見受けられますが、
    サイトワールドのお手伝い要請かなにか会の事務局に聞いたところ、来ていなく、会の事務局も知らないようでした。
    この記事「サイトワールドも知らないなんて…」の件があり、意外と知らないのでは?と、思ってしまいました。
    音訳グループが全て、音ボラ通信やホームページも見ていない人もいると思うのです。

    都内や関東圏では有名なのかもしれませんね。
    音訳ボランティアのグループでも、情報の浸透率はまばらですね。

    私も音ボラブログは閲覧して、そういった行事があるのは知ってはいても、三役や重鎮が参加するものなのか、それとも自由に参加するのか等?様子もわからないので、
    「サイトワールドを知っていますか?」と聞かれれば「聞いた事はあります」程度でも、知っていると言って良いのか…。
    知っているか?の基準がピンと来ていないのですがどうなのでしょうか?

    今頃、こんな質問ごめんなさい。
    皆さま公私共にご多忙ななか、いつも対応ありがとうございます。
    では。(^ ^)

    山優子(やまゆうこ)

    1. 山さま
      藤田です。

      書き込みありがとうございます。
      気づかずに失礼しました。
      情報の共有を掲げていますが、難しいですね。

      さて、サイトワールドについては、何度か過去に取り上げています。
      2006年から始まった視覚障害者に特化した世界にも例をみない総合イベントです。

      都内墨田区にあるすみだ産業会館を会場に毎年開かれています。
      北海道から沖縄までの視覚障害者が来場します。
      当日ボランティアもたくさん参加。

      音ボラネットにも、協力要請があり、お手伝いをしています。
      ここ数年は、場内放送を担当。

      さまざまなイベント等の協力依頼にいつも事務局が駆り出されるのは、負担が大のこともあります。

      せめて、近くのみなさんにはお手伝いをと呼び掛けてもなかなか反応がないことが多いものですから、ああいう発言をしました。

      視覚障害者と直に接するいい機会でもあります。

      せめて、そういうイベントがあることくらい、情報として知っておいてほしいと願うものです。

      藤田

      1. ありがとうございます。

        日頃の活動も大切、ですがそういった場に参加する事で、この記事の大川氏のおっしゃるように「引き出しを増やす」事になるのでしょうね。

        音訳業務の栄養補給になりそうですね。

  2. こんにちは。初めてコメントさせて頂きます。
    今年、地域のセンターで音訳の講習を受けました。
    講師の方々は長年ボランティアをされている方でした。
    私は全く初めてで、音訳を聞いたことが無かったので、実際の音訳を聞けないのか?
    と質問したところ、「聞いたところでその通りにできないでしょ!」と一喝されてしまいました。講習の間「聞きやすい声で、わかりやすい読み方で」と言われるだけで、具体的なお手本を聞かせてくれることもなく、毎週の課題を録音して来て受講者同士で感想を言いあう(といってもみんな遠慮して、変でも褒める)だけでした。葛飾での研修会では実際の「聞きやすい音訳を聞いてもらった」とあり、やはり実際のものを聞かなければわかりませんよね。悪い例も聞かせてもらえれば、「あ、自分もそうだ」とすぐに気づけますよね。その講習、最終日に利用者の方がいらして、こんな風に聞いているという様子や、音訳に関する色々なエピソードを
    聞かせてくれました。最終日ではなくて中盤くらいに聞けたら、もっと違う取り組み方ができたのにとも思いました。講習が終わってこれからが本番ですので、これからもこちを時々覗かせていただきます。よろしくお願いします。

    1. マロンさま
      藤田です。
      書き込みありがとうございます。
      匿名では、初めてなので、少し戸惑いました。
      なるべく風通しよくしたいと思っています。
      匿名で言いたい放題になるのも、困りますね。
      でも初めから匿名お断りと言っていませんので、今さらと思う人もいるかも、ですね。

      さて、ご指摘のさまざまな音源を聞きたいというのは、ごもっともです。

      しかし、著作権法上、視覚障害者等の為に製作されたDAISY図書を
      誰でもが聴けるわけではありません。

      私は、会員さんが音訳したものを本人はもちろん製作館の許諾を得て、学習のために使わせていただいています。
      なかなかやっかいなのです。

      ところで今、音訳者の高齢化とDAISY図書の質が大きな問題になっています。

      マロンさんも、耳で聴く読書にたえられる音訳を目指して頑張ってください。

      音ボラネットでは、総会やシンポジウムでさまざま情報発信しています。

      今年も、2回をわたって、シンポジウム「音訳者に未来はあるか⁉~あなた自身の問題です~」を開催。

      2回目の報告を兼ねた会報を間もなく発行します。

      個人会員もありますよ。
      少しでも、意識の高いみなさんと繋がっていきたいと思っています。

      これからもよろしくお願いします。

      藤田

      1. 藤田さま返信ありがとうございます。
        匿名での投稿、ボツになるのを覚悟で投稿させていただきました。
        シンポジウム「音訳者に未来はあるか、あなた自身の問題です」の報告をぜひ読ませていただきたいです。
        今は視覚障害の方もスマホで聴く時代です。一々CDに焼いて、郵送してという時代ではなくなっていますね。著作権の切れた作品を無料で聴ける「青空朗読」や月々1500円で聴き放題の「オーディオブックス」などの存在を最近知りました。新刊書も出ているので、苦労して素人が読まなくってもという感じです。地域の音訳ボラの需要は、雑誌や広報の音訳、あるいは、オーディオブックスが取り扱わないマニアックな本や専門書の音訳ということになりそうですね。

マロン へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です