音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.78 図書館音訳ボランティア教養講座

2月6日(金)ぬけるような青空の下、風もなく東京より暖かい静岡市の市立中央図書館に伺いました。図書館音訳ボランティア教養講座で話をさせていただくためです。ありがたいことにあちこちでお話をする場を与えていただいていますが、公共図書館でというのは初めてです。図書館側からみれば「全国音訳ボランティアネットワークってなあに」、「代表の藤田って、どんな人、どんな話をするの」という程度のものだろうと思います。

新参者ではありますが、色んな所へ出向き、音訳ボランティアはもちろんのこと、利用者、関連諸団体等の方々とお会いし、生の声・現場の声を聴かせていただいております。たて割りではなく、横のつながり、つまり、連携・協力の大切さをぜひ一人でも多くの皆さんに再確認していただきたい。利用者視点に立った活動を訴えたいのです。

地元ひびきの会の稲垣さんはじめ役員の皆さんの熱意と、こころよく受け入れて下さった館長さん、担当の職員の方のおかげです。私たちの積み上げてきたものが、受け入れられる時期がきているんだなと感じました。今回は今まで以上に喜びと意欲が大きいと感じました。

No.77 「バロックフルート」初体験

No.77(2/5) 「バロックフルート」初体験

2月3日(火)、職場から直行の岩本謙一さんと都内市ヶ谷の駅で待ち合わせて、アルカディア市ヶ谷に向かいました。6月4日(木)の全国音訳ボランティアネットワークの総会終了後に、会場のみなさんの肩をほぐすためにも利用者の演奏を予定しています。昨年から人選をしておりました。あちこち顔を出しているとおかげさまで色んな人とのご縁が生まれます。そんなお一人が千葉の藤井さんです。ガイドヘルパーをなさっていますが、ご自身のことを「盲導人」とおっしゃるユニークかつ熱心な方です。

この藤井さんが紹介して下さったのが岩本さんでした。そもそもバロックフルートとはバッハの時代のもので木管楽器です。サロンや教会でチェンバロなどと一緒に演奏されていたそうです。岩本さんは趣味でフルートを吹いていらしたそうですが、ある時、耳にしたバロックフルートの音色に魅せられ、今に至っているとのことです。

会社勤めなので、なかなか練習時間がとれないのが悩みとおっしゃっていました。また、アルカディア市ヶ谷のような広い場所で、しかも大人数の前で演奏したことがないとかなり不安がっていました。しかし、会場の広さを体感し音を出してみて、少しホッとなさったようです。これなら大丈夫だと思いました。マイクなしでもいけるくらいの大きな音です。

総会に向けて確実に決めていかなければならないことが次から次へを出てきます。皆さんが参加してよかったと思える会にすべくスタッフ一同がんばっていますので、一人でも多くの方に参加していただきたいと思います。(案内及び参加申し込みは3月中旬発行の会報・音ボラネット通信に同封)

(スタッフ同行・三浦)

No.76 みんなで協力を

1月24日(土)都内お茶の水にある東京YWCAで「音訳の未来を考える」とのテーマのもとに、お話させていただきました。音訳ボランティア活動やそれに伴う養成講座など30年前から、活発な活動を続けてこられた所です。皆さんのところでもこちらの修了生が活躍しているかもしれません。

12グループに分かれ雑誌制作を行っています。まだすべてテープ録音とのこと。「デイジーへの移行を検討しているが、グループ数が多く、足並みがそろわない」と悩んでいました。「理想は足並みそろえてかもしれないが1人でも2人でも興味ある人が、まず始めてみたら」とアドバイスしました。それぞれのグループの特徴をよくよく踏まえみんなが喜んで活動できることが一番です。

役割分担というか分業でかまわないといった私の話に皆さん、ホッとした様子でした。職員の木村さんのご説明では、国の公益法人制度の改革に伴う動きや財政難の中、歴史あるYWCAが大きな過渡期を迎えているということでした。こちらでもやはり昨今の社会状況とは無縁ではないようです。こんな時だからこそお互い知恵を出し合い、なるべく録音物の重複化をさけ、協力し合って乗りきっていきたいと思いました。

No.75 音訳者いらない?

1月23日(金)、日本教育会館(千代田区)で「出版社のための出版UDセミナー」の最終回が開かれました。千葉県立中央図書館の松井進さん、筑波大付属視覚特別支援学校の宇野和博先生、東大先端技術研究センターの近藤武夫先生、日立コンサルティングの岡山将也さんのお話がありました。

それぞれに興味深い内容でしたが、松井さんの「ここまで進化した合成音声とオーディオブックの環境」は特に音訳者として耳をそばだてるものでした。「合成音声」というと聞きづらい、誤読が多いというイメージが強かったのですが、ずいぶんなめらかに聞きやすくなり、女性の声と男性の声を選ぶこともできます。より肉声に近くなったという印象を受けました。また、誤読については、誤読の少ない日立やペンタックスの音声エンジンの開発により大きく進化しているようです。

合成音声による録音図書製作の最大のメリットは作成時間の短縮、肉声で読むよりは早いということです。こう書いてくると「それでは今後、音訳者は必要ないのでしょうか」と言う人が必ずいます。が、そんなことはありません。よくぞ、こんなテープを聴いて下さってというものがなきにしもあらずですから、利用者が様々なツールの中から選べる環境が整いつつあるということは喜ぶべきことです。利用者によって、また、原本によって「肉声がいい」という場合だってありますから、悲観せずに頑張りましょう。

No.74 2日目の勉強会

1月21日(水)都立文京盲学校で、三療音訳会の皆さんとの2回目の勉強会に参加させていただきました。今回は船橋朗読の会「まつむし」から2名が加わりました。前回同様、講師の栗原先生が用意して下さった「医道の日本 第782号 症例特集 肩こり」を順番に音読します。その都度先生からのご指導が入るので、とても勉強になります。初参加の「まつむし」の方たちは依頼を受けたものが難しく、できれば三療音訳会に替って読んでほしいと思っていたようですが、勉強会に参加して、自力で頑張ると決意したようです。

三療音訳会の依田さんや成田さんはじめ皆さん大変熱心で、今まで集めた資料や情報を惜しみもなく教え貸してもくれます。ありがたいことです。各自が備忘録のようなものを作ることがとても大切だと思いました。

最終的にはグループや地域を超えて協力しあえるようになることが重要です。次回は2月18日(水)です。興味のある方はぜひ、見学がてら参加してみてください。

No.73 2009年、年頭に

2009年が明けました。政治も経済も社会も、すべてが行き詰ってしまったかのように見える昨今です。私たちの活動にも無縁ではないかもしれませんが、せめて、少しでも「志を高く持って元気に楽しく」進んで行きましょう。

さて、たくさんの年賀状の中で(1)今回の「音ボラネット通信」は、利用者にとっても有益な情報がたくさんあって、ぜひお伝えしたいのでテープ機関誌等に収録してもかまわないかというお問い合わせが複数ありました。(2)まわりがデイジーデイジーで肩身が狭く、やりづらくなった。(3)デイジーデイジーと言うわりには、受けたい時に講習会とかがない、といった声が多数でした。

(1)については、今まで会報はどうしても音訳者向けという感が否めませんでしたが、今後はもっと利用者の音ボラネット会員が増えることも願って利用者への情報も発信していきたいと思います。(2)、(3)についてですが、四苦八苦して広報のデイジー版を作成したが再生機が買えない、あっても操作に不慣れな利用者のために更にテープに落としているという話。ある地方都市では100人中デイジー利用者が20人にも満たないという話を聞いています。

2011年(日本点字図書館等でテープの完全廃止)が目前に迫っているわけですが、利用者も音訳者もデイジーへの移行が十分にスムーズにいっているという状況ではありません。テープが存在する間にゆるやかに移行できるようにと願います。そのためのお手伝いが少しでもできることを願っています。

本年もよろしくお願い申し上げます。

No.72 1年を振り返り

今年1年間、暖かい励ましや力強い賛同の声をお寄せいただきありがとうございました。

音訳者は私の経験からも、思いはあっても、現実の忙しさに追われ、なかなか音訳周辺のことにまで目がいかないのが現状です。利用者のニーズは実に多様化していますし、世の中も目まぐるしく変化しています。そういう中にあって心配なのは、情報不足のために、音訳者よがりに陥ることです。

そこで活動の方向を誤らないためにも、広く社会に情報・意見を求めていかなければならないと考えています。

また、あちこち出向き、さまざまな情報を発信していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、今年ご活躍のたくさんの方の中で、当ネットワークの事務局スタッフ 平井任子さん(東京)はじめ以下の方が鉄道公済会表彰を受けました。(08’6)。ますますのご活躍をお祈りいたします。

2009年も、また共々に元気で頑張りましょう。よろしくお願いいたします。

・斎田登志子さん(北海道)・池田經子さん(埼玉県)・川原公子さん(千葉県)・佐藤芙美子さん(愛知県)・吉田由己さん(大阪府)・赤尾幸子さん(香川県)・植木恵美子さん(大分県)・厚生労働大臣賞;川田正彌さん(福岡県)

No.71 文京盲学校で勉強会

12月17日(水)、都立文京盲学校での「三療音訳会」(代表・依田理恵子さん)の勉強会に参加させていただきました。

理療科の先生の依頼で、医学書や鍼灸関係の本を読むために作られたグループです。当初から先生が関わって勉強会を続けています。特に利用者から必要とされている理療関係のものを読める人を育て、増やしたいという思いで月一回、専攻科の栗原勝美先生を中心に行なわれているこ勉強会に、外部の人も参加させてほしいとお願いしてきました。

その結果、澤田校長先生、栗原先生、そして依田さんたちが快諾して下さったというわけです。勉強会は先生が用意して下さる教材をベテランも初心者も順番に音読し、質問をし、先生が指導なさるといったスタイルで進められいました。全くの初心者の私も読ませていただきました。

「左側、右側」 (ひだりがわ、みぎがわ)と読みたいところですが、体の部位を指すときは、(さそく、うそく)となるなど医学用語の独特の読みは決して簡単ではありません。しかし、決まりごとのようなものもあり、慣れることが先決だと思いました。何よりもここでは先生はじめ三療音訳会の皆さんが熱心で、優しく教えて下さいます。

文京盲学校はJR飯田橋から徒歩5〜6分の交通の便のよい所にあります近郊の方、少しでも興味のある方、ぜひ一緒に勉強しませんか?

No.70 葛飾盲学校 訪問

12月16日(火)、何度目かの葛飾盲学校訪問となりました。図書室にはずいぶん古いテープ図書がありましたがほとんど利用されていないということです。デイジー図書に編集するより新しいものを音訳した方が早いようです。

まずは数冊の本を音訳し、先生方にもデイジー図書を体験していただければと思います。そしてまた、寄宿舎のお子さんたちに対面朗読や朗読会を通して、耳で聴く読書に慣れてもらうことが先決かもしれません。

地元には「葛飾音訳ボランティアの会」があり、代表が当ネットワーク事務局の鶴岡さんです。皆さんとても熱心で様々な取り組みに挑戦しているグループです。

たまたま地元のグループと音訳図書の利用が少なくデイジー図書がない盲学校とがうまくマッチングしたという例ですが、私たちも何度も足を運び校長先生や副校長先生に「全国音訳ボランティアネットワーク」の活動を知っていただけたことが大きいと思いました。

これからですが、こういった試みがうまくいって今後の盲学校支援のひとつのモデルケースになると嬉しいです。(同行 鶴岡)

No.69 競い合い、助け合うコンサート2008

12月6日、都内で「競い合い、助け合うコンサート2008」が開かれました。表彰式と受賞講演をはさんで6時間近くに及ぶ長丁場でしたが、楽しいひとときを過ごすことができました。それぞれ視覚障害というハンディを持ちながら演奏家として活躍されるまでの精進の日々はいかばかりかと思います。

しかし、そんなことを吹きとばす歌、和太鼓、ピアノ、ヴァイオリン、津軽三味線等々の力強い心揺さぶられる演奏が続きました。特にピアノの根岸弥生さん、不思議な音色でコンサートに足を運びたいと思わされました。津軽三味線日本一の踊正太郎さんのバチさばきはさすがでした。視覚障害の演奏家としての第一人者和波孝禧さんのヴァイオリン、円熟の音色に酔わされました。

私たちの活動は視覚障害の方々への「音訳」を通した応援です。この応援にもさまざまな形があると思いますが、こういうコンサートへの参加もそのひとつではないでしょうか。

毎年、水戸からかけつけてくださる方、たくさんの音訳利用者と参加して下さる方、ボランティア仲間を誘い、友人、知人をお連れしたり、ご自身はいつも参加できないのに必ず友人を紹介してくださる方等々。

主催の視覚障害者支援総合センターからチケットをお預かりした私に協力して下さったたくさんの方々に心からの御礼を申し上げます。

来年はまた、11月14日(土)とアナウンスがありました。今回にも増してたくさんの方が参加されることを祈ります。一年後、また、元気にお会いできたら嬉しいです。