音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.58 長野フォーラム参加申し込み第1号!

会員の皆さまには「第33回信州発ボランティア・地域活動フォーラムin小布施」のご案内と参加申込書をお届しました。(9月30日発送)

2日目の分科会の中に、全国音訳ボランティアネットワーク協力分科会があります。開催地の長野は当然ですが、その他にどの範囲の皆さままでお知らせしたらいいのか悩みました。

現実に北海道や沖縄からの参加は難しいかもしれませんが、このネットワーク設立時の活動予定に「ブロック大会の開催」ということをあげてあります。私たちは全国組織です。公平ということが大前提です。「参加したかったのに知らなかった」方がいては不公平です。また、参加はともかくも、一人でも多くの皆さまに「こんなことができるのか」ということを知ってほしい。いつかは「私たちの地域でもやってみようか」と思って下さる方たちが出てきたら幸いです。

このようなことから今回は全会員にお知らせしましたところ、先ほど、音ボラネット会員から第1号の参加申し込みが来ましたと連絡がありました。大変うれしいことです。

私たちの行事の開催地が東京になりがちで遠方から参加の皆さまには、時間的にも金銭的にもご負担が大きくなるため、上京できる方が限られてくるのではないかという心配のもと、当初から全国をいくつかに分けてブロック大会のようなものができないかと考えておりました。

このことに賛同してくださり、ご尽力下さった長野県社協さん、とりわけ長野県ボランティア地域活動センターの脇坂さんに心から感謝申し上げます。深まりゆく秋の中、信州・小布施で皆さまにお目にかかれることを楽しみにしております。

No.57 出版社のための出版UDセミナー2008

出版UD研究会と日本電子出版協会との共同企画「出版社のための出版UDセミナー2008」の第2回目が開催されました。筑波大学付属視覚特別支援学校の宇野和博先生からはボランティア依存で供給が間に合わなかった拡大教科書が2009年4月から教科書出版社から供給されることになった報告がありました。

一人の子が成長していく過程で必要なものは教科書だけではない。副教材や参考書や問題集、そして一般図書もなくてはならいものである。これからは教科書バリアフリーから読書バリアフリーを模索しなければならないというお話を印象深く伺いました。

また慶応大学の中野泰志先生は白内障や視野狭窄を体験できる「目がね」を利用し、「見えにくさ」を疑似体験させてくれました。大変さが実感できました。

ひとつの出会いからまた次の出会いにつながる何かを求めて、今日もでかけます。

No.56 久我山盲学校へ

9日(火)久我山盲学校を訪問しました。7月末の岡崎市での全日本盲学校研究大会でお目にかかった丸?副校長先生に色々と教えていただきました。

きれいに整備された明るいかわいらしい図書室でお話を伺いました。録音図書も整理されていましたがデイジー版が少ないようでした。これで都内5つの盲学校をすべて訪問しました。それぞれに特色のある学校作りに取り組んでいるようです。

直接お目にかかり、学校にも伺うことによってこれからの連携がよりスムーズにいくことを確信しています。(スタッフ同行 鶴岡、猪俣)

No.55 ミャンマーの視覚障害者支援の報告会

7日(日)「ミャンマーの視覚障害者支援の報告会」に参加しました。主催の国際視覚障害者援護協会では主な活動として、アジア・アフリカから視覚障害を持つ留学生を日本に招聘し、日本での勉学を支援し、帰国後習得技能を活かし、同じ障害を持つ仲間のリーダーとなる人材を育成しています。

今回は本年5月に発生したサイクロンの被害に遭った視覚障害者に食糧(主に米)の配布と風雨をしのげる作業所の修復のための支援を行ったそうです。

ヤンゴン市内にある2つの盲学校はほとんど修復されたそうですが、作業所は倒壊したまま。マッサージや指圧を行う建物とベッドがなければ仕事ができない状況です。盲学校で学び自立するためには仕事を作らないと収入が得られない。物の支援と人材の育成が何にもまして大切だということでした。

報告の後、ミャンマー・ラオス・ベトナム・からの留学生の話を聞きました。来日後、日本語や日本語点字、歩行訓練等を行い受け入れ校(盲学校)に入学します。来日から1年〜2年の皆さんですが、日本語が大変上手で敬語なども使いこなしていました。

理療科の教科書はむずかしいと思いますが勉強に対する姿勢も、ほんとうに真面目で一生懸命さが伝わってい来ます。何らかの形で応援できたらいいなぁと思いました。

No.54 マルチメディアDAISY研修会

8月21日(木)日本図書館協会主催のマルチメディアDAISY普及のための研修会に参加しました。9:00の受付から始まり17:00の閉会まで丸一日がかりでしたが、音訳ボランティアの顔もちらほら。その中に当音ボラネットの会員の方々も。

5人の講義の内、特に印象に残ったものを紹介してみます。佐藤さん(埼玉県立久喜図書館)の「公共図書館における障害者サービスの基本的考え方」の中で障害者サービスとは障害者に対するサービスではない。図書館利用に障害のある人々へのサービスであるということ。しかしながら障害者サービスの内容に地域差がある。サービスそのものがない地域もあるということを話されました。驚きました。各方面との相互協力、連携が必要との言葉に大いに同感したしだいです。

濱田さん(NPO法人奈良DAISYの会)はマルチメディア版教科書を制作しています。学習障害、ディスレクシア等読みに困難を持つ子どたちを支援しています。一人ひとりの要望が違うため個別対応となり、要望はあるのに追いつかない現状だそうです。著作権もネックとなっているとのこと。また、教科書がどんどんビジュアル化(絵、写真、イラスト、ふき出し等々)しているので、その扱いに苦慮しているそうです。音訳にも通じる悩みです。

色々な垣根をとりはらい、「利用者のために」という一点で協力し合えるようにならなくてはと強く思いました。こういう会にもっともっと多くの皆さん、特に図書館職員の方々に参加してほしいと音訳者として思いました。

お互いにまずは現状を知るということが大切ではないでしょうか。(スタッフ同行 島村、藤本)

No.53 全日本盲学校教育研究会へ

今年もまた、全国盲学校教育研究大会(岡崎大会)に参加させていただきました。

7月31日、8月1日の二日間にわたり各地の盲学校の熱心な取り組みについての発表がありました。いかにして専門性を高めていくのか先生方の熱い思いが伝わってきます。

どこにあっても問題や課題はつきものです。でも、その中で「本気の人」が一人いれば道はおのずと開けてくると確信しました。色々と教えて下さった先生方に感謝申し上げます。当ネットワークがお世話になっている諸先生方に再びお目にかかれたこと、嬉しいことでした。

1日目のお昼休みには、地元岡崎盲学校を支援している「虹の会」の皆さんと交流ができました。そして2日目終了後には、早い時期から色々と応援してくれている豊川市の塩路ひろみさんと再会し、話が弾みました。

ところで盲学校は私たち音訳者にとって確実なニーズがあるところだと思います。すでに様々な支援している方々もいらっしゃるでしょう。その上で更に、理療科への支援はもちろんのこと、普通科の児童生徒さんに「良書」に親しんでもらうためのお手伝いができればと考えています。

当ネットワークの存在を知っていただくことからはじめて、いかにしたら連携を密にし効率のよい支援が可能か模索しているところです。

No.52 iPodやケータイで”耳から読書”

7月28日(日)日本教育会館(都内)で日本電子出版協会と出版UD研究会との共催で「iPodやケータイで“耳から読書”〜オーディオブック普及の可能性をさぐる」セミナーがありました。千葉県立中央図書館の松井進さんは自著「Q&A盲導犬」を10媒体によるユニバーサルデザイン出版を試みた方でもあります。

「肉声と合成音声を使用した読書の可能性と今後の普及について」発表がありました。両者ともメリット、デメリットはあって利用者が使いわけていくということだと思いました。

普通のものは2倍速で情報もの(雑誌等)は3倍速で聴いている、という私たちにとっては松井さんのいつもの話も相手によっては「通常の速さのものを作っても意味がないということか」という質問が出ます。

参加者のほとんどは出版、印刷関係の方たちです。こういう方たちに文字から情報を得にくい人たちの情報収集手段のひとつとして「音訳」があるということを知ってほしい。啓発のための催し物等を企画する必要があるのではと感じたところです。

No.51 川島昭恵さん「夏語りの会」

26日(土)、都内葛飾区で全盲の語りべ 川島昭恵さんの「夏語りの会」がありました。「目が見えなくても私は私。目が見えない人だからできる語りではなく、川島昭恵だからできる語りをしたい」(5/29 朝日新聞記事より)との一言にひかれて当ネットワークのスタッフ(鶴岡、島村)と参加しました。

分厚い点字ファイルをひざにおき、指でなぞりながら「語り」が始まりました。あまんきみこや安房直子の作品が澄んだ声に乗って、暑さ疲れの身を、なんだかとてもなつかしいホッとするような世界に連れて行ってくれました。

視覚にかぎらずあらゆる障害者が生き生きと活動できる社会にしていきたいものだとあらためて感じました。

No.50 小泉八雲を原文で音訳

各地で梅雨が明けました。毎日暑い日が続きますが、皆さまお元気でしょうか。閉め切った、クーラーもつけない部屋で、滝のような汗をものともせず、マイクに向かう姿・・・。ほんとうにお疲れ様です。お互い身体を労わりながらがんばりましょう。ここで、夏らしい話題です。

小泉八雲の「怪談」を原文でと、千葉の方から個人依頼がきました。英語の勉強がしたいので、ゆっくりと読んでほしい。できれば英語の堪能な人にお願いしたいと。海外での滞在経験がある方たちのグループが都内にあります。早速に引き受けてくださいました。

私たちがまだ準備会を立ち上げたばかりの頃、新聞にとりあげられた時に連絡をしてきてくださったグループです。まさにネットワークです。

私はこの題名に遠い昔にタイムスリップしてしまいました。田舎の高校時代、進学組の生徒に夏休み返上で補修授業が行なわれました。その時の英語の教材が「怪談」だったのです。わかりやすい文体ということもあったのでしょうが、睡魔にも負けずわくわくしながら和訳をしたこと、うるさい位のセミの鳴き声、先生が板書をしながら汗をふいていた白いタオル。昨日のように思い出しました。

No.49 盲学校 訪問

15日は葛飾、16日には八王子の盲学校を訪問しました。あちこちおじゃまするたびに、お忙しい中、校内の案内をしていただき感謝です。(15日鶴岡、島村・16日三浦、猪俣 同行)

まずはその場に足を運び校長先生、副校長先生、図書室の先生方と直接お話しをすることで、私たち「全国音訳ボランティアネットワーク」の活動を知っていただきたい。そして、私たちはどんなお手伝いができるのかを考えたいというのが目的のひとつです。

理療科のあるところとそうでないところとでは、ニーズが違います。医療関係の音訳というとだれもがすぐに読めるものではありません。ややもすると尻込みをしがちですが、自立のために必須なものですから、この分野の音訳活動には力を入れていかなくてはなりません。より連携プレーが重要になってくると思われます。

さて、ここで主に理療科のない学校のお話。お子さんたちに良書に親しんでもらいたいと思います。「点字をしっかり教えてほしい。その為に盲学校に入れたのだから」という保護者の考えがあり、その他の手段で読書を進めるということは現実、難しいというお話を伺いました。

一方でとても充実した図書室のある学校で過ごした全盲のA先生は「ここの録音図書のおかげで本が好きになりました。長文の小説を点字で読むことは限界があるのではないでしょうか。それぞれのリズムがありますから」とおっしゃっていましたが、とても印象に残るお話でした。

お子さんたちが耳からの読書に慣れていないということであれば、対面朗読や読み聞かせから入ってもいいのではないでしょうか。いずれにしてもそれぞれの図書室にお子さんたちが喜んで借りてくれるような録音図書が1冊でも多く並ぶようになるといいです。その為に地域のボランティアを活用していただきたいと思います。