No.378 なごや会例会に参加

2泊3日で晩秋の福島市内に行ってきました。
なごや会(公共図書館で働く視覚障害職員の会)の福島例会に同行しました。
たいした戦力にはならないながらも、みなさんの目の代わりも兼ねての参加というわけです。
もちろん賛助会員でもあるのですが。

まず、京都や名古屋からのメンバーと東京駅で合流。新幹線で福島駅へ。更に福島交通飯坂線に乗り換えて飯坂温泉駅に到着。
東京駅を夕方に出発した前泊組は、飯坂温泉にある餃子のお店がお目当てです。
餃子は宇都宮では?と思いながら、円盤餃子(餃子がぎっしり円盤の形に並んでいます)をいただきました。小ぶりでパリパリしていて、いくつでも食べられます。
佐藤さんや大川さんが、以前に訪れたことのあるオススメのお店のようでした。その夜は温泉で疲れを癒し、次の日の本番に備えました。

30年前に、外国産の建材を使い建てられたという重厚な福島県立図書館で、障害者サービス研修会が行われました。

東北方面では、いわき市の村上さんがただ一人、「なごや会」の一員として孤軍奮闘しています。
障害者サービスの面から言うと失礼ながら、遅れている地方と言わざるを得ないかもしれません。
もっとも障害者サービス実施館は、全国3200の公共図書館の内、2割程度しかありません。

今回、県内の公共図書館や点字図書館、そして岩手県立図書館の職員のみなさんが、25名も参加してくれました。

まず「図書館における合理的配慮と障害者サービス」と題して、お馴染みの埼玉県立久喜図書館の佐藤聖一さん、「障害者サービスの利用者を知る」ということで、千葉市中央図書館の大川和彦さんから、それぞれ講義がありました。

お昼休みには、DAISY図書再生機やバリアフリー絵本や障害者サービス関連資料の展示も。

午後からは、「障害者サービスの基礎」と「合理的配慮についてのディスカッション」の2つの分科会に分かれました。

私も地方の図書館にお邪魔したりすると、「当館は障害者からの依頼がまったくありません」などという話しを、よく耳にします。
これに対し佐藤さんが、「看板もないメニューもないレストランに、誰が行きますか」と厳しく言われていました。
図書館の創意工夫がなさすぎると思うのですが、それとも日常業務が忙しすぎるということでしょうか。

翌日は、「なごや会」の総会です。
参加者が少ないので、開催時期、場所、形式等について、改めて話し合われました。
また、例会・総会の企画・立案から交渉まで一人で行うのは、負担が大きいので、分担してはという案も出されました。

企画や運営についての悩みはどこも同じです。

さて、図書館職員の中に視覚障害当事者がいるということの意義は、非常に大きいです。
みなさん一人ひとり、障害者サービスのエキスパートです。
「なごや会」の存在及び活動を広く知ってもらいたいと思います。
願わくは、次回もまた今回のような方式が継続されることを期待します。
でもそれには、受け入れてくれる図書館が名乗りをあげてくれることが必要です。
みなさんの地域の図書館ではいかがでしょう。
そしてボランティアも交えて研修会が開けたらと思います。

ところで、今回の旅で気づいたことがあります。
盲導犬を見ると、みんな笑顔になって、会話が弾むということを目の当たりにしました。
特に盲導犬に接することの少ない地方だからでしょうか。

ご主人の松井さんは当然のこと、盲導犬のジョバンニちゃんも立派にお仕事をしていました。

こうして少しでも、視覚障害者への理解が深まってほしいと願います。

お世話になったみなさま、ありがとうございました。

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