No.75 音訳者いらない?

1月23日(金)、日本教育会館(千代田区)で「出版社のための出版UDセミナー」の最終回が開かれました。千葉県立中央図書館の松井進さん、筑波大付属視覚特別支援学校の宇野和博先生、東大先端技術研究センターの近藤武夫先生、日立コンサルティングの岡山将也さんのお話がありました。

それぞれに興味深い内容でしたが、松井さんの「ここまで進化した合成音声とオーディオブックの環境」は特に音訳者として耳をそばだてるものでした。「合成音声」というと聞きづらい、誤読が多いというイメージが強かったのですが、ずいぶんなめらかに聞きやすくなり、女性の声と男性の声を選ぶこともできます。より肉声に近くなったという印象を受けました。また、誤読については、誤読の少ない日立やペンタックスの音声エンジンの開発により大きく進化しているようです。

合成音声による録音図書製作の最大のメリットは作成時間の短縮、肉声で読むよりは早いということです。こう書いてくると「それでは今後、音訳者は必要ないのでしょうか」と言う人が必ずいます。が、そんなことはありません。よくぞ、こんなテープを聴いて下さってというものがなきにしもあらずですから、利用者が様々なツールの中から選べる環境が整いつつあるということは喜ぶべきことです。利用者によって、また、原本によって「肉声がいい」という場合だってありますから、悲観せずに頑張りましょう。

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