音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.297 高知とテキスト化プロジェクト

高知で、もう一つ大切な用事がありました。
私たちの「テキスト化プロジェクト」に、コンピュータの読み上げソフトである、PCーTalkerを無償提供してくれている、(株)高知システム開発さんにご挨拶に伺うことです。
何事もすべて持ち出し状態の音訳ボランティアにとって、こうした形で企業のみなさんが、ご支援くださることは、大変にありがたいことです。
晴眼者である音訳ボランティアが、校正用にこのソフトを使い、より精度の高いテキストファイルを、利用者に提供しようと頑張っています。
もしかしたら、高知システムさんでは、こんなふうな使われ方があるということは、想定外だったかもしれません。
実際にこのソフトを使い作業をしているメンバーの感想やらを、まとめたものをお渡ししました。
ご担当の宇賀さんはじめみなさま、大変お世話になりました。ありがとうございます。
さて、テキスト化プロジェクト立ち上げのきっかけとなった市内在住の藤原さん、北九州から駆けつけたこの活動の牽引力となっている大木さんと再会しました。
まさに、キーパーソンの集合でしょうか。
そしてもう一人、ぜひ直接お礼をと、ホテルまで訪ねてくださったのが、市内の学生さんのお母さんです。
「みなさんのおかげで、短大の卒業が決りました」と。
ご本人とお母さんが勝ち取ったものです。
10数年前、有名私立高校に入学。サッカー部にも入りました。
試合のために遠征した地での落雷事故で、手足が動かなくなり、車椅子生活に、そして視力も、失います。「こんなになっても勉強がしたい、英語も勉強したい、と言うのです」とお母さん。
今は努力の結果、指でキーボードを打てるようになりました。
「学校は、なかなか難しいところです。今は、言いたいことがあっても、なるべく我慢しています。うちの子が卒業する時には、次に続く障害者のために、言います」と笑いながら、おっしゃる。母は、強しです。エールを送ります。
学校や行政、大きな組織はなかなか動きませんし、動きだすまでに、時間がかかります。今、目の前で困っている人たちへのサポートが、十分ではありません。私たちボランティアは、こうした社会の隙間を埋める存在だと思います。
このテキスト化プロジェクトには、今続々と依頼がきています。
速報性が命のこの活動に支障がきたさないように、今活動してくれているメンバーのスキルアップと新たなメンバーも育てなければなりません。
ごくごく一部の図書館ですが、取り組みへの歩みが少しずつ、始まっています。
地方拠点が、増えることは、大歓迎です。
大阪の日本ライトハウスでは、すでに4月から、そして東京の日本点字図書館でも動きがあるようです。
こういう歴史のある大きなところが、動きだせば、鬼に金棒でしょう。願わくはこの先、私たちの手に負えない量の依頼があった時、それぞれの拠点に振る、その逆があっても、当然です。
早くそういう連携ができるようになるといいなあと単純に考えています。
何はさておき、学びの途上にある児童・生徒・学生さんをみんなで、支えようではありませんか。
これからも、この「テキスト化」へのご支援・ご協力を切にお願い申しあげます。

No.296 高知訪問

夏日の羽田を飛び立って、降り立った高知龍馬空港も暑い。
寸暇を惜しんで閉園直前に登った高知城の天守閣、蝉の声が賑やか。土地っ子もビックリ。
今年は、どこもおかしいですね。
さて、松田光代さんが会長をつとめる「高知朗読奉仕者友の会」(会員75名)の発足30周年記念の式典にお招きいただき、初の高知入りとなりました。
音訳の歴史をひもといてみると、日本点字図書館創立の本間一夫先生が、テープライブラリーを始められて50数年です。
一ボランティアグループで、30周年を迎えたところは、古い方でしょう。
私たちの音ボラネットが立ち上がって、ようやく7年目。それに比べると30年は、長い年月の積み重ねです。大変なご苦労があったことは、容易に想像ができます。
私も一文をしたためた「三十年のあゆみ」と題した記念誌も出来上がりました。
県知事や副市長も駆けつけ、立派な記念の式典でした。
その後、「読書障害者の読書環境の変化と音訳者の役割」について、話をさせていただきました。
利用者の読書環境の現状をお知らせしました。また、肉声の良さは、大切にしつつ、聴きやすい録音図書製作のために日々スキルを磨くこと、そして、できるだけ早く情報を提供することが、求められていること。
また、より速報性の求められる分野のものがあるということ等。
更には、連携と発想の転換についても、話しました。早速にアンケートの集計結果を送ってくださいました。みなさまに喜んでいただけたようで、ほっとしました。
2日目は、日本ライトハウス情報文化センターの金井先生を、お迎えして研修会が開かれました。
原点に立ち返って「枠アナウンスと目次の立て方」を教えていただきました。
私もみなさんに混じって受講。
音訳って、奥が深いと、しみじみ実感した1日でした。
友の会の活動や式典の様子を、地元の高知新聞が、12日の朝刊から始まって、夕刊、13日の朝刊にと取り上げていました。
地元にしっかりと根を張った活動を続けていることが、一目瞭然です。
それぞれに悩みや課題は、ありますが、また次の目標に向かって元気で楽しく進んでいきましょう。
みなさま、お世話になりました。また、いつかどこかで。

No.295 特に広島、福岡にお住まいの方やお近くの方へ

私たちが提供した音源を元に、マルチメディアDAISY図書を製作し、特別支援学校や盲学校等に寄贈している、伊藤忠記念財団の矢部さんたちが全国行脚中です。
今月の26日には、福岡県立図書館で、そして27日には広島市立中央図書館で、「読書バリアフリー研究会」が開かれます。
一人でも多くの人に、障害のある人たちの読書環境の現状を知ってほしいと頑張っています。
福岡の詳細  http://www.itc-zaidan.or.jp/event_fukuoka20131029.html
広島の詳細  http://www.itc-zaidan.or.jp/event_hiroshima20131027.html
2012年12月に、10年ぶりに文科省の調査が発表になりました。全国の公立小中学校の通常学級に、発達障害の子どもが、6.5%。つまり35人学級なら2人はいる計算になるそうです。
そしてそのうちの4割は、何の支援も受けていないという現状です。
私たち一人ひとりが関心を持ち、まずは、勉強する。そしてまわりの学校関係者や保護者のみなさんにも、情報を伝えていく、そんなことでも立派な支援になるのではないでしょうか。
いずれの会場とも、まだまだ余裕があるそうです。
ぜひ、ご参加ください。
新潟からも、参加申込みがあるそうです。

No.294 公共図書館での講座

千葉県旭市にある千葉県立東部図書館に伺いました。
この旭市は、房総半島の北部にあり漁業の盛んな町です。
あの3.11の大震災では、市内飯岡地区を8メートル近い津波が襲い、13名の方が亡くなっています。そして、図書館の駐車場には、仮設住宅が建っています。
2年半以上経った今も、20世帯ほどのみなさんが住んでいるそうです。足を運んでみて初めて見えてくることがあります。
何もできませんが、せめて日常を奪われたみなさんのことを忘れないでいたいと思いました。
さて、この東部図書館で、すでに活動している音訳ボランティアのみなさんに、今一度、原点に立ち返り、いかにしてモチベーションをあげて、少しでも効率のよい活動ができるか。
「情報は早くなければ情報ではない」と言われる利用者に応えるためには、どうしたらいいのかというような観点で話したいと2回の講座をお引き受けしました。
初回は、音ボラネットの紹介と音訳の歴史を振り返りました。
そして、「聞きやすい録音図書」を一緒に聴いてみました。
「図書館連携プロジェクト」で新宿区立戸山図書館から、依頼があった1回目の作品、3タイトルのCDを持参しました。音ボラネットの名前で、製作しているものです。
あくまで教材として使うということで、図書館からの了解も得ています。
表紙の読みや、読みの早さ等、参考にしていただけたようです。
合間に、県内の図書館にお勤めのなごや会のメンバーのお二人からも、感想を伺いました。早聞きも体験。案の定、みなさんびっくり。
職員の方も参加ということで、私の方が緊張しましたが、利用者として感想等お話していただき、ありがたかったです。
ところで、私たちにとっては、切っても切れない関係にあるのが、図書館です。
このネットワーク立ち上げの時から、いかに連携すべきかを考え、その大切さを言い続けてきました。
ありがたいことに、今回このような機会を与えていただき、感謝申しあげます。
次回も、よろしくお願いいたします。

No.293 富田倫生さん追悼イベント

去る8月に亡くなった富田倫生さんといえば、「青空文庫」の呼掛け人であるというくらいの知識しかありませんでした。もちろん面識もありません。
なのに富田さんの追悼イベント第一部、記念シンポジウムに参加したのには、わけがありました。
この追悼イベントの運営と「青空文庫」の活動を将来にわたって支援する「本の未来基金」が、創設されました。
イベントの協賛団体にと、松井さんを通じてお誘いがあったので、名前をださせていただきました。
そこで、どんなイベントなのか、参加してみないとというのが、そもそもの理由です。
インターネット上で、著作権の切れた小説等を無料で配信しているのが「青空文庫」です。常に新しい情報を求める利用者からの依頼を受ける私たち音訳者には、あまり馴染みがないかもしれません。
しかし、紙の本では、使えない人たちにとっては、ネット上で公開されていることによって、第三者の手を煩わせることなく、自分なりに加工して使えるのは、すばらしいことです。
マルチメディアDAISY図書の製作者の中には、この「青空文庫」を重宝して使っているという人もいます。
ところで、富田さんは、このことに関連して、著作権保護期間(現行、著作者の死後50年)延長に反対の活動にも取り組んでいた方だったそうです。
この保護期間は、適切な期間に調整されるべきですが、「適切な期間」を巡って、さまざまな立場が存在することになります。保護期間延長問題とは、なんなのか。国の思惑もあります。
メリット、デメリットを見極めることが、大切。
あらゆることが、勉強です。知らないことが多すぎます。
出向かなければ、わからないこと、出向かなければ出会えない人が、います。
でもこの身は、一つ。何とも悩ましいかぎりです。

No.292 稲門グリークラブ演奏会

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉どおり、ずいぶんと秋めいてきました。赤い曼珠沙華が、目に鮮やかです。
ところで今、みなさんに「名著を読もうプロジェクト」への協力をお願いしておりますが(中央公論社の世界の名著・日本の名著の音訳)
この依頼元である、新潟の栗川先生たちの男声合唱を聴きにサントリーホールに出かけました。
「炎のコバケン」(蛇足ながら、小林研一郎氏のこと)が振る稲門グリークラブの演奏会です。栗川先生は、早稲田大学グリークラブのOBです。全国からご参集の老若のワセダマンです。140余名の舞台です。前から4列目の席で、指揮はもちろん、みなさんの表情がよく見えます。大曲、「レクイエム」と「水のいのち」の二曲。重厚ながら、繊細な男声合唱に魅了されました。
サプライズも用意していますと、先生がおっしゃっていましたが、コバケンさんのピアノとソロを聴かせていただきました。特に男声合唱曲「アカシアの径」は、素敵でした。
大半、コーラスはバックにまわって、バスのソロの独壇場です。
そのソロをコバケンさんの高い透明感のある声が、切々と歌い上げます。涙が出そうでした。
最後の「都の西北」(言うまでもなく早稲田大学の校歌です)は、圧巻です。壇上のみなさんの何と誇らしげなことか。羨ましいくらい。
栗川先生は、事前に何度も上京して、練習に参加。指揮が見えない分、何倍ものご苦労があったことでしょう。何事にも前向きに挑戦なさる先生の姿勢は、教え子たちに素晴らしい教育になっていることと確信します。
舞台を下りられるとき、正面に向かい、かすかにお辞儀をされた姿が印象的でした。

No.291 秋田・青森駆け足訪問記 Ⅱ

当初から、松井さんとは、せっかくの秋田行き、なんとか時間を有効に使い、青森まで足を伸ばそうと計画していました。
青森には、半年くらい前に、当会の個人会員登録をしてくれた、神山先生がいます。
あおもりDAISY研究会の代表であり、私たちのテキスト化プロジェクトのアドバイザー的な役割を担ってくれています。そこで、なんとか情報交換しながら、地元で協力者を増やし、活動の輪を広げられればということも大きな目的の一つでした。
まず、青森行きの特急で一緒だった、青森県視覚障害者情報センターの職員の方にお願いして、センターを見学させていただくことに。
車に同乗、一路センターへ。
そこへ、神山先生も合流。
業務終了間際の慌ただしい時間に、丁寧に説明していただきました。
また、出張中だった對馬センター長ともお話しができ、思いがけなく、有意義な一時でした。
その後は、神山先生の車で、青森駅近くの「おさない食堂」でご飯を食べました。
新鮮な陸奥湾の魚介類をリーズナブルな値段で提供しているお店です。朝7時から夜10時まで開いています。旅行者とおぼしき人や地元の人たちが、引っきりなしに出入りしています。話が弾みました。
さて、次の日は、青森市民図書館と県立図書館におじゃましました。
かなりタイトではありましたが、生の津軽三味線も聴けましたし、海を眺めながら、また海の幸満載のお昼もいただきました。
最後は、新幹線に間に合うのかハラハラしたときもありましたが、無事車中の人に。
ほんとうに、よく動きました。
さて、点字図書館というのは、視覚障害者限定という所がほとんどのようですが、公共図書館は、著作権法の改正で、大きく変わっていいはずですが、実態はあまり、変わっていないような印象です。
まあ、障害者サービスのないところもありますので。音訳ボランティアもそうですが、各図書館でも、読書障害者のおかれている現状を広く知るということが、大切だと痛感しました。
県立図書館では、10月1日に埼玉県立久喜図書館の佐藤さんを講師に研修を予定しています。
せっかくなので、他の公共図書館はもちろん、点字図書館やボランティアにも声をかけてください。
秋田での点字図書館の研修会では、200名を超える参加者があり、熱心なボランティアが、大勢集まっていましたよ、とやんわりお伝えしてきました。
やはり、中央と地方の格差はあると思いました。
そのなかでも、一生懸命頑張っている多くの人に出会えたことは、とてもありがたいことでした。
いつも思うことですが、出かけていって顔をあわせることの大切さ、大事にしたいとおもいました。

No.290 秋田、青森駆け足訪問記 Ⅰ

9月5~6日にかけて、秋田市内で開かれた東北・新潟・北海道ブロック点字図書館等連絡協議会の音訳・音訳校正・デイジー編集合同研修会に参加しました。初日は、千葉県立西部図書館の松井さんの講演です。
2日目は、秋田県点字図書館音訳指導員松本さんと同じく福田さんによる協議「今後の音訳・音訳校正・デイジー編集ボランティアに求められること」です。
音訳ボランティアはもちろん、点字図書館の職員、盲学校の先生等200名を超える参加者で、会場が一杯です。
私はといえば、松井さんのカバン持ちで、ぜひにとお願い。
渡辺館長はじめ、主催のみなさまの寛大なお心で、同行者として、受け入れていただきました。
みなさんがおもてなしの心全開で対応。大変有意義な2日間を過ごすことができました。
 松井さんは、「視覚に障害のある人が求める『読書』」等のテーマで講演。
テキスト化のことや、機材・ソフト等の関係のことは、どうしても横文字が多くなり、消化不良の人もいたようです。
このことも踏まえ、2日目には、再度、松本さんからフォローがありましたので、だいぶ理解が深まったのではと思います。地方と中央の格差を感じないではありませんが、みなさんの熱心さは、かわりません。必死にメモをとっていました。
読書障害者の現状を知るということは、大切です。ありがたいことに、当日資料に音ボラの紹介を載せていただきました。また、松井さんの講演のなかでも、時間をいただきテキスト化のことを、お話しました。中央公論社の「名著を読もう!」の 話も出し、協力をお願いしました。この名著シリーズの引き受け館の新潟県点字図書館の担当者とも、お話しができました。その他、たくさんの会員のみなさんとの再会は、ひとしお、嬉しく思いました。そして新しい出会いもありました。
ある男性は、松井さんの話はよくわかった。テキスト化のこともお手伝いできるかもと。また同じテキスト化のことでは、2日目に、テキスト化プロジェクトで頑張っている小樽の軽部さんが、実践者として、発言。それを受けて同じ北海道の方が、第二の人生が見つかりそうと。また、名著を読もうプロジェクトのことでは、グループで対応できますと。月刊「世界」を読みたいという人も現れ、早速に成果がありました。おかげさまで、私にとっても、実り多い秋田訪問でした。
それぞれに頑張っているみなさんから、励まされました。
ありがとうございました。

No.289 コンサート

恒例の「競い合い、助け合うコンサート2013 羽ばたけ視覚障害音楽家たち」が、10月19日(土)杉並区の勤労福祉会館ホールで、開かれます。
いつものとおり、実行委員として、チケットの売りさばきに協力しています。
常に多忙を極め、持ち出しの多い音訳者には、なかなか厳しい面もあるかなあと、思いながら、「ぜひ、コンサートにお越しください」と、せっせとラブレター?を書いています。
私たちは、日頃音訳をとおして、利用者の応援をしています。
その利用者もさまざまです。
才能ある視覚障害音楽家たちがいます。
そのコンサートに足を運ぶということ、これも一つの応援です。
そして参加する私たちは、聴衆として、癒され励まされてもいます。お互い様の関係です。与えるだけ、与えられるだけではない、対等の関係が大切です。
ダメ元でお知り合いになった企業や行政のみなさんにも、ご案内をだしました。
チケットは、どっさりあります。ご用命は、ぜひ藤田まで、よろしくお願いいたします。今年のプログラムは、お馴染みの女声コーラス「コール・トゥインクルスター」、そして、中国笛と歌(テノール)の楊雪元さん、箏の澤村祐司さんとそのお仲間です。
きっとすてきなステージになること間違いなし!です。
また会場でみなさんにお会いするのを楽しみにしています。

No.288 名著を読もうプロジェクト

赤とんぼ、発見!自宅近くのキャベツ畑の上を飛んでいました。
そういえば、朝夕の風が、かすかに変わってきたような感じがします。でも少し動くと、どっと汗が吹き出します。不快な湿気には、閉口していますが、みなさま、お元気でしょうか。
さて会員のみなさんには、先日「お知らせ」をお送りしました。
その中に「名著を読もうプロジェクト」録音図書製作協力者募集があります。
そもそも、総会の折りの第2分科会ご登壇の栗川先生が地元の新潟県点字図書館に依頼を出しているものです。
中央公論社の全集「世界の名著」「日本の名著」です。
先生の蔵書だそうです。私たちのネットワークの存在をご存知なかった先生から、「音ボラネットのマンパワーでご協力いただけないか」と。
まだ音訳されていないものが、150冊ほどあるようです。
何とか存命中に全冊を録音図書にしてほしい。そして、在職中(高校の教師)に教材として使いたいという、強い希望をうかがいました。
まず、点字図書館と連絡をとりました。
担当は前向きな熱心な方です。
協力してもらえるのは、大歓迎と。基本、音ボラネットとしては、点図に協力するという形で、栗川先生の夢を実現できれば、と思います。
まだまだクリアしなければならないことはありますが、改めてたくさんの方のご協力をお願いいたします。さて、初めこの話を伺ったとき、新潟県点図はすごいと思いました。
普通は、断ります。
私たちのところには、地元で「そんな難しいものは、うちでは読めない」「あなた一人のために、多くの人手はさけない」と断られた人たちからの依頼がきます。確かに法律の専門書だったり、10冊以上の受験のための教材だったりと、手間暇のかかるものばかりです。
そういう現状で、勇気ある決断だと敬意を表しました。
しかしいつになったら、完成するのか、心配になったというのも、正直な気持ちでした。
ここで思うところですが、人とお金には、限りがあります。その中で、いかに効率よく活動できるか、より多くの録音図書が作れるか、みんなで知恵を出しあいましょう。
今後このような依頼を受けたところが、自分のところでは、手に余るものがきたとしても、「できません」とは言わず、他と連携すればいいように思います。
点字図書館同士や公共図書館同士は、もちろんのこと、点字図書館と公共図書館との連携を深めることが大切ではないでしょうか。
私たちも、できるかぎりの協力は、させていただきます。
なんといっても、目の前で困っている利用者のためです。
このプロジェクトが、うまく進んでいくことを祈ります。