No.432 「音声訳虹の会」40周年

音訳が始まって60年。
いくつかのグループから設立40周年の記念誌が事務局に送られてきています。

「宇治リーディングボランティア」、「釧路市音声訳の会ともしび」のみなさん、おめでとうございます。

さてそんな中、新潟県は三条市の「音声訳虹の会」(横山喜代子会長)からは、40周年の記念式典にお招きいただきました。

県内には、4団体9個人の音ボラネット会員がいます。総会等にはいつも、たくさんのみなさんが参加。心強く感じております。

そんなわけで、会場の三条ロイヤルホテルに入るやいなや、懐かしいお顔を何人か見つけて緊張がほどけ、嬉しくなりました。
音ボラネットの存在を知らない他の音訳グループにも声をかけてくださったとか。
情報発信ができてよかったと、副会長の渡邉敏栄さん。(彼はテキスト化プロジェクトにも協力してくれています)

当日参加するとかしないとかは別にして、情報を伝えるということは大事であり、ありがたいと思いました。

さて虹の会は、ラジオ深夜便を長年音訳、サピエ図書館にアップされています。40年という歴史を眺めてみれば、みなさん手弁当でよくぞ頑張ってこられたと拍手です。
着物姿の先輩方も華やかに会を盛り上げていました。

ところで県内で活動する音訳グループは、いくつもありますが、一応みんな、新潟県点字図書館(本年4月より、新潟県視覚障害者情報センターとしてスタート)に束ねられているそうで、録音図書は、サピエ図書館にあげてもらえるという道筋はついているそうです。質の問題等があって、全てというわけにはいかないのはもちろんですが、録音図書が足りていない上に音訳者が高齢化して、製作数自体が先細りになっていく現状ならば、少しでも活用されないものを減らしたいと思います。

それから会場で伺った定年制の話が気になりました。こちらの情報センターでは、70歳定年だそうです。

あちこちで定年制をひいているのは、承知していますから、何もこちらが特別とはいいません。
担当職員の公平にという思いもわからないではありません。

しかし、個人差がひじょうに大きい世界です。
60代でも口中音がひどくて、とか。80代なのにこの若々しい読み、とか。現場からさまざまな声が聞こえてきます。
ここにきてある公共図書館では、定年制撤廃という動きもあるそうです。
個人個人の力量、状況に応じて、図書館の職員が一人ひとりに対応していただければと思います。

職員のみなさんができるわけではない音訳をボランティアにお願いしている側として、「あなたの読みは…」とか、ましてや「音訳は卒業して」とは言えないというのです。そこを何とか乗り越えて、日頃からお互い信頼関係を築き、何でも言い合える関係はできないものでしょうか。

同じであるはずの目的・目標を再確認したいものです。

3 thoughts on “No.432 「音声訳虹の会」40周年”

  1. お忙しい中、音声訳虹の会の記念誌典にお越しいただきありがとうございました。
    すばらしい基調講演をお聞きすることができ本当に参考になりました。
    藤田代表には総会等でしかお話をする機会がないのでこのたびの講演・交流はとても良かったです。
    これからもご指導ご鞭撻程よろしくお願い致します。

  2. 音声訳の行く末を常々考えている者として、藤田さんの感想を興味深く拝読。
    私がこの世界に入ったのは、まさに音声訳定年間際の70歳を目前にした時でした。幸いにも、点字図書館の登録音声訳者でとしてではなく、地元の図書館所属であったこと、テープ録音からデジタル録音への過渡期で、それまで培ったPCによる録音・編集のノウハウが生かせたことで、ここまで続けることができました。その間、視覚障碍者のPC教室や談話会(悩み事相談会)にも関わり、何が必要かを考え続けています。
    テキストデータの合成音声によるDaisy図書の製作、新聞記事のテキストを音声パソコン利用者に定期的にメールで送信、ラジオ放送の収録、編集、Daisy図書化と取り組んでいますが、やはり肉声での提供が望まれていると感じます。先日朝日新聞でも紹介されたオトバンクのサンプル音声も聞いてもらいました。ジャンルによっては受け入れられるようです。
    自分の声での録音が難しくなっても続けられることとして、この藤田さんのブログで紹介された、伊藤忠わいわい文庫の校正ボランティアを始めて、3年目となりました。これからも「藤田が行く!」のお世話になります。よろしくお願いします。

    1. 渡邉さま
      竹田さま

      新潟からのお二人の書き込み、ありがたくて拝見しました。

      竹田さんは、「わいわい文庫」の校正を3年もなさってくださっているのですね。
      ありがとうございます。
      音訳者の高齢化は、いかんともしがたい現実です。
      録音図書製作が、難しくなってきたとしても、
      今まで培ってきたノウハウを何とか活かせる道を竹田さんのように考えたいと思います。

      これからもよろしくお願い致します。

      藤田

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