No.514 「こころの通訳者たち」試写会

日本で唯一のユニバーサルシアター「シネマ・チュプキ・タバタ」をみなさまは、ご存知でしょか。

2016年に開館した全席20席という小さな映画館です。

目の不自由な人も、耳の不自由な人も、車椅子の人も、小さな子ども連れの人も、誰もがいつでも安心して映画を楽しむことができる映画館です。

JR田端駅から徒歩5分ほどの商店街の中にあります。

ここでの「こころの通訳者たち」の試写会に呼んでいただきました。

演劇を耳の聴こえない人にも楽しんでもらうため「舞台手話通訳」に挑んだ3人の記録。

その映像を目の見えない人たちにも伝えられないかという相談が、「チュプキ」に寄せられたことから始まった挑戦です。

ここで私は初めて「舞台手話通訳」という言葉を知りました。

通常の手話通訳とは異なり、演出家の指導のもと、通訳者も1人の出演者として舞台に立ち、共に演じながら台詞や情景を観客に伝える手法です。

聴こえない人に生の演劇の感動を伝えたい、そして見えない人にありのままの映像を届けたい。

見えない人に手話を伝えるには。

ここから、シネマ・チュプキ・タバタ代表の平塚さんたちの挑戦、苦闘が始まりました。視覚障害者、手話通訳者等が集まってミーティングを開始。

しかし、道筋は容易に見えない。

無理なのでは、というムードに。しかし音声ガイド製作に携わるメンバーは諦めない。

と、ここまでご紹介してきて、もはやこの映画をみなさまに、観ていただくしかない。感じていただくしかないと思います。

10月1日からシネマ・チュプキ・タバタで先行公開。
10月22日より、新宿K’s cinemaほか全国順次ロードショー。

最後に平塚さんの言葉をかみしめたいと思います。

「障害者の人たちは欠けた感覚を補うべく、持てる感覚を研ぎ澄まし、作品を感じとろうとしている。鑑賞においても一つひとつ丁寧に、大切に向き合っている。

そういう人たちが、観客の一部として加わることによって、鑑賞の場を共にする全ての人の体験が底上げされる」

この映画を通じて広げていきたい、です。

1人でも多くの方々に観ていただきたいと、切に願います。

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