No.467 出版UD研究会「文字とユニバーサルデザイン」

朝からの土砂降りで肌寒さも増すなか、しっぽまでびっしょりの盲導犬ジョバンニと松井さん、ガイドの石崎さん、静岡の熊谷さん、図書館司書の宮崎さん、言語聴覚士の村上由美さんご夫婦、娘の友人でグラフィックデザインの勉強をしているりーちゃんなどなど、100名を超える参加者で、専修大学神田キャンパスの会場は一杯でした。

顔なじみのしかし、久しぶりのみなさんに会えるのも、この研究会ならではの楽しみでもあります。

今回のプレゼンターは出版UD研究会の発起人でもあり、グラフィックデザイナーの高橋貴子さんです。いつも研究会の受け付けで、にこやかに対応している方のお話です。

お父さまやおじさまのこと、見えない見えにくい人たちに向けた本作りのことなど、まとまったお話を、初めて伺いました。新鮮でした。

コメンテーターは、字游工房・書体設計士の鳥海修さん、書体設計家・活字書体史研究家の小宮山博史さん、ダイナコムウェア株式会社コンサルタントの小畠正彌さんです。三人とも楽しい方々です。

UDデシタル教科書体など書体についてやフォントの特徴など教えていただきました。

どんなに読みにくかろうが、どんなに美しい書体であろうが、ひたすらその文字を音声化することが、私たちの仕事です。たぶんあまり深く考えることもなく、ひたすら文字を追っているのではないでしょうか。

しかし今回、ロービジョンやディスレクシアなどの読みに困難を抱えている人たちへのさまざまな配慮がなされていることに、改めて気づかされました。
ぼやけて見えにくいとか、まぶしくて見えにくいとか、多様なロービジョンの見えかたがあります。

紙に印刷した際の見やすさ、電子黒板やタブレット端末といったICT教育の現場での見やすさ。これらは、UDデシタル教科書体が適しているようです。

ヒラギノフォント、ダイナフォント、イワタフォントなど、実にさまざまな書体があります。でも、「私がよいと思う文字」は、たぶん一人ひとり違うはずで、そのことを意識した、書体設計の歴史は浅く、奥が深いのではと、各フォントの見本を見ながら思いました。

とても勉強になりました。みなさま、ありがとうございました。

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