No.81 ある真夜中のできごと

出ずっぱりの一日を終え、何も考える余裕のない頭で帰宅。とりあえず夕食の支度(これでも一応主婦です)。ようやくひと段落したのが10時過ぎ。届いていたFAXに気がつきました。2時過ぎの着信で、本日中の回答をとあります。正直「えーっ!なに、これ」と思いました。もうこんな時間だし、断ろうと思いました。いつものことですが、こんな時間になると頭も回りません。

大阪のあるリサーチ会社からです。官公庁の仕事のサポートとして今回世論調査の報告書を作成するにあたり、SPコード(音声読み上げコード)をつけて作成することになった旨、書き添えられています。そして、グラフが3枚添付されています。棒、円、帯グラフです。つまり、どう読んだらいいかということらしい。時間があれば読み原稿を作ることは可能。しかし、今の今、それは無理だと思いました。当ネットワークの事務局スタッフと分担してとも考えましたが、時間が時間です。あきらめました。しかし、無視というのも心が痛みます。連絡はつかないだろうと思いながら11時30分頃、電話をしてみました。つながりました。担当は若い男の人でした。こんな時間でも仕事をしているんだ。もしかしたら当方からの連絡を待っていたのかもしれません。

音訳者は見えない人の目の代わりなので、原則書かれていることは書かれているとおりに読むが、図表やグラフ、イラストや絵や写真には、毎回大変苦労していること。詳しく説明すればいいかというと逆にわかりにくいこともある。音訳ボランティアとは資格があるわけでもなく、ひとつひとつの事例にそったマニュアルがあるわけでもない。音訳者の感性や経験に負うところが大きいといった話をすると、感心しきり。現場の貴重な声が聞けて参考になりましたと言われました。

ここで思ったことは、事務局とはいえ、個人の自宅であること。一介の主婦であるということ。今現在、当方がどんな状況にあるかなど、先方にはわからないこと。「全国音訳ボランティアネットワーク」などという、大層な名前で、インターネット上で情報を公開している以上、来るものには、きちんと対応しなくてはならないという責任が生じていることを、しみじみ感じたできごとでした。それにしても、早く寝たいと家族に遠慮しいしい思ったことでした。

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