音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.218 12月3日のシンポジウムに向けて

12月3日の仙台市内での、「読み書き支援のためのシンポジウム」の打合せで、9月27日に続き10月5日の早朝、仙台に向かいました。

仙台が、日帰り圏内だとは、今回のことがなければ知りませんでした。以前、音ボラネットの総会を地方でも開いてほしいという要望があり、事務局で検討したことがありました。今回のことは、主催がこちらではないので、気楽といえば気楽なのですが、都内の団体が、地方で開くイベントという点では、似通うものがあります。

正直、大変さを身に染みて感じました。主催者が当然と考えていることが、現地ではそうではないことに、気づかされました。いわゆる、温度差というのでしょうか。

現地のみなさんに目的等を理解、賛同していただかないことには、前に進めません。ましてや、それぞれの音訳グループの代表であれば、なおさら慎重にならざるを得ない立場もわかります。いくらITの時代とはいえど、メール等のやりとりだけでは、こちらの思いが伝わりにくい。一回より二回、顔を合わせることの大切さを、改めて考えました。

視覚障害等の当事者のみなさんにすれば、ご自分たちの権利として制度化したいという願いは、よくわかっているつもりです。でも、すぐに実現可能なこととは思えません。行政を動かし、法律も変え、となると、実施までどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

今、支援を必要としている人がいるかぎり、私たちは、サポーターとして、今できることをやるしかない。そのベターな方法を、みんなで考えるきっかけ作りのためのシンポジウムだと、私は思うのです。地元のみなさんのお力を、お借りするしかないと訴えました。ありがたいことに、最終的に思いを共有することができました。

お陰さまで、このネットワークの存在のありがたさを噛みしめたしだいです。チラシができたら、あそこにもここにも配りましょうということになり、当日が楽しみになりました。

尚、この打合せに先立ち、石巻に伺いました。石巻市図書館館長に、お目にかかりました。ここには、点訳ボランティアしかいないということ。社協などで広報を読んでいる音訳者が、いるはずということでしたが、残念ながら詳細はわかりませんでした。

ところで、高台にある図書館が避難所になっていたとは、知りませんでした。まだ、二人の方が、身を寄せていました。帰りぎわに、館長が、「被災現場を見ていってください」と、言われました。日和山に上りました。広い公園になっていて、急な階段を上りきった所に、鳥居があります。あの時は、津波をすぐ後ろに感じながら、必死で鳥居を目指したと、地元の方に伺いました。いつも熱心に、都内での講習会やシンポジウムにきてくださる鈴木さんが会いにきてくれました。

12月3日には、仙台に伺いますと。どれだけの、どのような思いを抱えているのか、端から想像もできませんが、心強いです。なんとか、多くの方々に参加していただきたいと思います。

No.217 第20回全国ボランティアフェスティバルTOKYO

「全国ボランティアフェスティバル」は、1992年の兵庫県での開催を皮切りに全国を回り、20回目の節目に当たる本年、「全国ボランティアフェスティバルTOKYO」(以下ボラフェス)が11月12日13日の二日間、両国エリアと青山エリアで開かれます。当音ボラネットでは、13日の青山学院大学での分科会を予定しています。

東京ボランティア・市民活動センター(以下ボラセン)副所長の竹内さんから、参加のお誘いをいただき、日頃お世話になっているボラセンのこと、二つ返事でお引き受けしました。しかし、当方も6月の総会に向け、準備をしている最中でした。そして、東日本大震災が、起こりました。

ボラセンでは、各地からの災害ボランティア希望者への対応と救援物資の受付、整理発送等で、混乱を極めていました。一時は、ボラフェスが、本当に開催できるのかと思いました。そんな中、当方の勘違いや担当者との行き違いで、ハラハラする場面もありましたが、何とか準備も大詰めを迎えました。

「視覚障害者の読書をサポート〜あなたにもできること〜」のテーマの下、体験型の分科会となっています。筑波技術大学教授であり、全盲の長岡英司先生には、「利用者の立場から音訳を考える」をテーマに、講演をお願いしています。また、(株)シナノケンシには、録音機材(DR1)や再生機(プレクストーク)をお借りし、音訳体験やマンガ等のCDを試聴できるよう準備しています。また、担当の山岸さんのお話も、伺います。

現在の音訳活動は、文字情報を肉声で読むだけではなく、利用者のニーズの多様化に伴い、パソコン活用の場が増えています。若いみなさんの活躍の場があります。

参加に当たっては事前の申し込みと参加費(3000円)が、必要です。学生さんは無料なので、ぜひ参加してください。申し込み締め切りは10月28日です。

東京ボランティア・市民活動センター(外部リンク)

No.216 山内 薫さんと学ぶ障害者サービスの明日

当初3月に予定されていた、山内薫さん(墨田区立あずま図書館)の「定年を祝う会」が、今月都内で開かれました。「山内薫さんと学ぶ障害者サービスの明日」のテーマの下、学習会という形で行われ、遠方からや、障害者の方も参加していまし。「墨田に、山内さんあり」とは、昔から、聞き及んではいましたが、実際のお付き合いは、当音ボラネットの総会(本年6月開催)の分科会へのお誘いを通してでした。その後、読み書き(代読・代筆)支援員養成講習会やシンポジウムで、ご一緒させていただいています。

40年以上にわたり、障害者サービスの向上に、尽力されてきた方であり、そのための行動の人でもあります。会場で、若かかりし頃の活動の様子が流されましたが、すべての図書館利用に障害のある人のために、図書館という建物から飛び出し、利用に困難を抱える人々に、寄り添う姿勢を貫かれた方です。老人ホームや知的障害者施設等に、出張し、本の貸し出しのみならず、紙芝居やお話、歌なども続けてこられた方です。

このような図書館職員の鏡のような山内さんの姿勢を引き継ぐ人は、出てきているのでしょうか。「思い」は共有できたとしても実践はかなり難しいのではないでしょうか。職員の数が足りない、予算がないという現状ではないかと思います。また、一概に職員の意識の低さとだけ言えない時代の壁、というようなものがあるように思います。それでも、山内さんの「思い」を受け継ごうと努力している人もいます。「思い」を共有することから、見えてくること、できることがあります。期待したいと思います。

尚、今回の記念品代は、南相馬市にある仮設住宅に子どものための本や紙芝居を送る資金としたい、というご報告をいただきました。どこまでも、山内さんらしいと感動しました。

さて、私は、この山内さんの推薦で「図書館雑誌」2011年9月号(日本図書館協会発行)に、一文を書かせていただきました。「著作権法改正と障害者サービス」に関して「拝啓 公共図書館さま」として、思いの丈を綴りました。かつて、公共図書館にも、社会福祉協議会にも属さず、まったくの地域ボランティアとして活動していた頃から感じてきたこと、そして今、全国の音訳ボランティアの代表という立場で、多くの会員の思いを代弁するつもりで、書きました。

今の私の立ち位置の如く、何の制約も受けず、自由な立場で書かせていただきました。こういう場を与えてくださった編集委員の山内さんはじめ、関係のみなさまに改めて、お礼を申し上げます。

No.215 読み書き支援員講習会

2回目の開催となる「読み書き支援員養成基礎講習会」が、品川区で開かれました。内容も講師陣も、ほぼ同じ。7月に定員オーバーでお断りをした方々が中心です。高知市やいわき市等、遠方からの参加があるのも、前回と同じです。この関心の高さは、どこからくるのでしょうか。まず、こういったサービスが確立されていないということに、びっくりする方が多いようです。

今回は、講習会修了後の受け皿がないということへの不満より、「地元に帰って、図書館や行政の窓口に聞いてみます」という声が聞かれたことは、嬉しいことでした。何か人のお役に立ちたい、何かを始めたい、スキルアップをはかりたい、という参加者の思いを、なんとかどこかにつなげていきたいと思います。なんとか突破口を開きたいと、毎回、ない頭を使い、いろいろと動いています。

その結果、協力していただけそうな所が見えてきたので、前回のこの欄で急遽、新宿区と千代田区の方々へも参加の呼び掛けをしました。それをみて、参加してくれたのが、新宿区の後藤さんという若い方です。しみじみありがたいと思います。

この度は、音ボラのリーフレットを配ったり、活動内容を、お話したりしました。その結果、音訳のことをもっと知りたいとか、何か活動できないかとか、何人かから、声が寄せられました。私たちが、活動拠点としてお借りしている、東京ボランティア・市民活動センター(ボラセン)で、お会いする約束をしました。

有料で、二日間びっしりのタイトな講習会に参加してくださった皆さんは、行動力のある方々です。熱い思いのある方々です。いうほど、簡単ではないかも知れませんが、更にもう一歩、アクションを起こしてみませんか。私たちの「思い」がひとつになれば必ず、一歩進むと信じます。読み書きに困難を抱える、高齢者や視覚障害を含むあらゆる障害者のみなさんのために、一緒に頑張りましょう。

次回の予定ですが12月3日(土)仙台市福祉プラザで、シンポジウムを開きます。「被災地における高齢者・障害者の情報支援体制を考える」〜読み書きサポート体制の構築〜です。現在、プログラムや登壇者については、検討中です。広い会場(300人収容)を、埋めるためにも、地元の皆さまのご協力がなければできないことです。

そこで、27日に、仙台市の福祉プラザで、打合せを行うことになりました。仙台朗読奉仕の会の伊藤さんはじめ、会の皆さまのご厚意で、例会のために押さえていた所を、お借りします。宮城朗読奉仕会の佐藤さん、いわき声の奉仕グループの金野さん、声の広報「のびる会」の松木さん等が駆けつけてくれます。

他にも、参加希望の方がいたら、ぜひお知らせください。12月3日のシンポジウムを、より意義のあるものにしていきたいと思いますし、たくさんの方に参加していただくために、活発な意見交換をしていきたいと考えています。ぜひ、お力添えをよろしくお願い致します。

問合せ・申込先:NPO 法人 大活字文化普及協会事務局

電話:080−4071−9402 FAX:03−5282−4362

メール:masamitsu@daikatsuji.co.jp

No.214 羽ばたけ視覚障害音楽家たち

暑さが戻った10日、都内セシオン杉並で「競い合い、助け合うコンサート2011」が開かれました。今年もまた、たくさんの方々に、ご協力をいただきまして、ほんとうにありがとうございました。

今回は、主催の視覚障害者支援総合センター高橋理事長の発案でペアチケットができました。一般が3000円、ペアだと3500円でした。ずいぶんとお得感があります。一人でも多くのみなさんに参加して欲しいという、理事長の思いが通じたのでしょう。いつになくたくさんの方の来場がありました。

私は、実行委員になって、舞台をすべては観れなくなりましたが、その分ロビーで、みなさんと少しでも、おしゃべりができます。年一回ここでの再会が、楽しみな方もいます。今年は、いつものみなさんの他に、大変懐かしい方々と再会しました。

このコンサートには、毎回「チャレンジ賞・サフラン賞の贈呈式」があります。この二つの賞は、職業自立して、視覚障害者の文化の向上と福祉の増進に寄与している若い視覚障害男女に贈られるものです。

このたび、チャレンジ賞を受賞したのは、ゆいまーる(視覚障害を持つ医療従事者の会)の代表、守田稔さんです。守田さんは、精神神経科のお医者さんです。副代表で、私たちの総会に参加してくださった高知市の藤原さん、事務局の方々もいらしてました。

2008年のゆいまーる発足の集まりに参加したことが、懐かしく思い出されました。守田さんは、ギラン・バレー症候群を患われて、車椅子生活を余儀なくされています。時には、音訳もなさるお母さまもお元気そうで、何よりです。

こういう専門職に携わるみなさんへの音訳サービスは、なかなか大変だと思います。しかし、こういう専門情報を音訳できる人たちが増えることを願いたいものです。守田さん、藤原さんとお話ができて、楽しい一時が過ごせたことに感謝です。ネットワークとは、人と人との繋がり以外の何ものでもありませんから。

みなさままた来年、お目にかかりましょう。今度は、どんな出会いが待っているでしょうか。

No.213 読み書き支援

今月17日18日の講習会に続き、12月3日には「被災地における読み書き支援を考える」をテーマに、仙台市内でのシンポジウムの開催が決定しました。この件に関して、私のところへも、ぜひ被災地での開催をとたくさんの声が寄せられていました。

(注)仙台でのシンポジウムを12月4日とお伝えしましたが、会場の都合で3日に変更となりました。

また、2012年1月28日29日には、大阪での講習会が予定されています。こういう動きの中で、なんとしても受け皿となる、サービスを提供する場の確保が急務です。

新宿区立戸山図書館の大城館長、担当の川口さんのもとに、このサービスを戸山図書館でやっていただけないかと、お願いに伺いました。図書館協力員の南部さん、大活字文化普及協会事務局の市橋さん等と一緒です。

おかげさまで、前向きな話し合いができました。また11月にオープンの千代田区立日比谷図書館管理者の小学館プロダクションの小出さんとも、お目にかかりました。ご存じのように、100年の伝統ある都立日比谷図書館は、障害者サービス発祥の地でもあります。

ここが今、千代田区立の図書館としてオープンします。図書館というより、さまざまな機能を持った図書文化館のような形にしたいというお話でした。しかし意義ある歴史を大切にし、対面朗読室の有効な活用法を考えていただきたい。

場所を提供していただけると、読み書きサービスがはじめられます。と申し上げました。そんなわけで、今月17日18日の講習会に、新宿区や千代田区の多くのみなさんに、ぜひ参加していただきたいと、緊急にお願いします。まずは、この二ヶ所を突破口にできればと思います。

さてさて、毎年10月11月は各地で、「区長と話そう」的な催しが予定されています。社会福祉協議会や図書館担当者に提案しても、一向に進まないことをこういう場で、首長に直談判したら、早速に予算がついたとか、ゴーサインが出たとかいう話が寄せられることがあります。私の住む練馬区でも、11月に開催されます。ダメ元で参加して、私も発言してみようかと思っています。何事も「時」というのがあると思います。

機運が高まりつつある「今」を外すことなく、それぞれが行動を起こすことが大切ではないでしょうか。それぞれのアプローチのなかで、一人では、無理ということがあれば微力ですが、お手伝いさせていただきます。よろしくお願い致します。

問合せ・申込先:NPO 法人 大活字文化普及協会事務局

電話:080−4071−9402 FAX:03−5282−4362

メール:masamitsu@daikatsuji.co.jp

No.212 読み書き(代読・代筆)支援

7月に定員オーバーで、受講できなかった方のために、再度、読み書き支援員の養成講習会が、品川区で今月17日〜18日に開催されます。8月22日の衆議院議員会館でのシンポジウムの参加者の中からも、ぜひ勉強したいという方が何人もいて、関心の高さに嬉しい悲鳴をあげています。

しかし、この講習を受けた後の受け皿が、用意されているわけではありません。唯一、東京都障害者福祉会館で行われているものがあります。1983年に「視覚障害者日常生活点訳等サービス事業」として開始されたものです。予約制で1コマ1時間半の単位で利用できます。

点訳・音訳・墨字訳・対面朗読をする、都内ではただ一つの施設です。ここまで出向ける人はいいでしょうが、出向けない人へのサポートはとか、予約制なのでいつでもというわけにはいかないということもあり、利用者にとって、ほんとうに使いやすいサービスになっているのかなと思ったりします。本来、資格を持った支援員が常駐して、サービスを行なうというのが、理想でしょうが、今すぐにというのは、無理です。しかし、体制が整うまで待っているわけにはいきません。

都内の音訳ボランティアからの情報です。ある所では、視覚障害の方から、地元の社会福祉協議会にプライベートなものの代読の依頼がありました。社協から、協力依頼があったのは、点訳グループにです。音訳グループも活動しているのですが。

またある所では、依頼があれば、図書館の職員が、最寄りの駅まで利用者を送迎しているそうです。しかし、いずれも広報されていないので、利用者の多くは、このサービスを知らないということです。

とりあえず今は、さまざまな形があっていいと思います。ないよりはまし、ですから。しかし、利用者が安心して、このサービスを受けられるように、最低限のルール作りは、必要です。

第一に、守秘義務の厳守です。そして、サービスを行っていることを周知させることです。現状でのベストな形を、何とかみつけたいと思います。マンパワーを何とか、次に繋げていきたいと思います。

みなさんの地域の取り組みを、ぜひ、教えてください。

No.211 シンポジウム

22日、東日本大震災被災地の情報支援体制を考える〜読み書き支援員シンポジウムが新しくなった衆議院議員会館で開かれました。一部の図書館や社会福祉協議会で行われている、読み書きサービスの全国的な普及を目指す、大活字文化普及協会 「読書権保証協議会」の主催です。

冒頭から入れ代わり立ち代わり、挨拶に立ち、そそくさと席を立つ議員さんの姿に違和感を覚えた参加者もいたようです。正直なところ私も、落ち着きませんでした。しかしながら、このシンポジウムは、7月に行われた支援員養成講習会とは、違います。議員さんへのアピールが目的のものです。この支援員の制度化に向け、予算獲得のためには、まず議員会館での、このような形のシンポジウムが欠かせません。

今回も被災地はもとより各地から集った社協や図書館関係者、ヘルパー、音訳ボランティアとさまざまな立場のみなさんが参加していました。講習会修了者の姿も多く見受けられました。本当に熱心なみなさんです。このマンパワーは、大切にしなければなりません。こうしたい、こうあるべきだという理想形があります。しかし、残念ながらそれは、即実現可能なことではありません。

当ネットワークの、函館市の森田さんたちや、那須塩原市の松木さんや、品川区の取り組みを参考にしつつ、お互いにできることから始めてみませんか?

行政を動かすことは、そう簡単なことではありません。でも諦めず、さまざまな角度からアピールを繰り返し、アクションを起こしていきたいと思います。

私たちの念願だった著作権法の改正も利用者のみなさんを先頭に思いを一つにしたたくさんの人々の努力で実現したものです。

私も早速、いつも協力していただいている図書館館長に面会を申し込みました。事務局長の市橋さんとお訪ねする予定です。

No.210 HPのリニューアル

この17日から、HPが装いも新たになりました。ネットワークの設立には、HPの開設が急務ではありましたが、いかにせん、当時、事務局にはこの方面にノウハウを持つものがいませんでした。

ほとんどが、子育てが、一段落して音訳の道を志した主婦の集まりでした。何をするのも手探りでした。全国に散らばる会員のみなさんへの情報の発信には、年3回の会報だけでは、追い付かず、最新の情報の共有というには、心許ないものがあります。

そうこうするうちに、事務局の猪俣さんが、きらいではないので、なんとか頑張ってみますと言ってくれました。今は亡き浦口明徳さんからアドバイスをいただき、何とか念願の開設に至ったのは2007年のことでした。素朴で手作り感があって、いいですねと、概ね好評で、ホッとしたものでした。管理をしている彼女の苦労は、大変だったと思います。

その後、事務局からの情報発信だけではなく、全国からの問合せや視覚障害者関連のイベント情報が寄せられるようになりました。おかげさまで、音ボラネットの知名度が上がるにつれ、HPへのアクセスも増えてきました。それに伴い管理人の負担も増えていきます。この間、業者からの引き合いもありましたが、経費がかかるということもあり、見送ったこともありました。

やはり、今はボランティアで協力してくれる人がいればと、考えていた矢先に、適任の人が現れました。このたび、運営委員に加わってくれた佐藤さんです。彼は震災直後のPDFファイルをテキストファイルに変換してという依頼に、いち早く協力してくれた一人でもあります。心強い人材です。トップページも明るくなり、使い勝手もよくなりました。リニューアル後の最初のアクセスが那須塩原市の松木さんからありました。「新しいHP、素晴らしいですね。ずいぶん洗練されて、なかなかですよ」と。いかがでしょうか。 みなさまも感想や情報などお寄せください。

No.209 日点 小野館長訪問

高田馬場の日本点字図書館に小野館長をお訪ねしました。 今年4月から岩上さんの後を継ぎ、初の晴眼者の館長となった方です。ざっくばらんな方で自由な発想の方、というのが、第一印象です。

電子図書館サピエのことや公共図書館との関係など伺いました。 サピエについては、まだまだ発展途上かと思っていましたが、そういう部分とすでに成熟している部分とがあるというお話でした。

「地域・生活情報コーナー」などは、全国からユニークな地域情報が上がってきたら、おもしろいと思いました。 今、このコーナーは、決して有効に使われているとは、思いません。 「各地の点字図書館が、それぞれに情報をあげてくるのは、難しいでしょうね。ほかのことで手一杯ですから」とおっしゃっていました。

夢として、全国(北海道から沖縄まで)に散らばる音ボラネットの会員が、情報を寄せたら、寄せる方も楽しいし、利用するほうもおもしろいのにと、単純に考えました。

また、点字図書館と公共図書館との連携についての質問には、「関西は、わりあいうまくいっていると思います。東京はないですね」と館長。

「どうして東京はうまくいかないのでしょうね」と私。「ここ(日点)があるからですよ」と にっこり、さらりとおっしゃる。 なかなかおもしろい方です。

ところで、名刺を二枚いただきました。もちろん一枚は、日点館長のもの、もう一枚は、全国視覚障害者情報提供施設協会の副理事長の肩書のものです。

全視情協のことも伺いました。 ユニークな発想と自信は、「東の日点」という看板のせいだけでしょうか。長年、この世界で培ってこられたものでしょうか。 世の中には、色んな看板を背負った、さまざまな考えの方がいます。ときには、過激と思われる方もいます。実にさまざまな方にお目にかかれるのが「藤田が行く」の醍醐味です。

しかし、経験も浅く力もない私としては、こういう見方やああいう考えもあるということを承知の上で、さて自分は、バランスよくと思うのですが、簡単ではありません。 事務局の鶴岡と佐藤と三人で伺いました。暦の上では、立秋ですが、暑い盛りの午後のひとときでした。