音ボラネット事務局 のすべての投稿

No.225 ボラフェス終了

「第20回全国ボランティアフェスティバルTOKYO」が、穏やかな秋空の下、無事終わりました。全国から参加のみなさんと主催のみなさん、出展等の協力をさせていただいた私たちも含め、みなさま、お疲れさまでした。

さて、当音ボラネットの事務局の中に、ボラフェス担当グループを作り、準備を進めてきました。本当にいろいろありましたが、終わってみれば、また一つ、いい経験ができました。事前申込みが必要で、参加費が3000円。学園祭の乗りを想像していたものですから、どういう人が、何人位来てくれるのか、見当もつきません。どういった内容にすべきか担当メンバーも、頭を悩ませました。

体感型の分科会に決りました。録音体験コーナーと試聴コーナーは好評で、特にマンガは、感心しきり。その他、タカシマヤ通販や、生協のカタログ等の生活情報も聴いていただきました。筑波技術大学の長岡先生の講演、シナノケンシ(株)の山岸さんのお話と続きました。

都内はもちろん、沖縄、岡山、愛媛、長野、新潟等から、社会福祉協議会、出版社、学生、熱心な音訳者のみなさん30人ほど、参加をしてくださいました。アンケートによると、ほぼ全員が満足と回答。特に、利用者であり、音訳の指導者でもある長岡先生のお話に、「目からウロコ」とか、「即、日々の活動にいかしたい」とか、こちらも大変好評でした。

ある学生さんからは、「特に試聴コーナーが、よかった。これからも、福祉の勉強に励みたい」と、メールがきました。また別の学生さんは、「今すぐにでも、音訳を始めたい」と言っていました。ある出版社の方は、マンガ「こち亀」(こちら葛飾区亀有公園前派出所)を絶賛していました。また、新しい出会いがありました。次につながるといいです。

たくさんの分科会の中から、私たちのところを選んで参加してくださったみなさまに、ここで改めて、お礼申し上げます。ありがとうございました。

No.224 サイトワールドへのお手伝い

「サイトワールド 2011」も終わりました。直前に、このコーナーで、「お手伝い募集」を載せたところ、当音ボラネットの会員ではない二人の方から、協力の申し出がありました。一人の方は、音訳希望者で、詳細を知りたいということで、改めてボラセンでお会いすることになっています。

もう一人の方は、会場で、いろいろお話ができました。「家と会社の往復、視覚障害者と接するなどということは、皆無。とても新鮮な経験です。みなさんの前向きな姿勢に、驚きました」、「これからも何かお手伝いできることがあれば、声をかけてください。HPをみています」と。これからも、こんな風に輪が広がっていくとありがたいです。

さて、この度のサイトワールドは、いつもの出展や講演、体験コーナーなどの他に、特別企画がありました。「東日本大震災・原発と視覚障害者」と、題して東京消防庁の協力でシンポジウムが開かれました。宮城、岩手、福島の被災者と支援者のお話。そして、消防庁のハイパーレスキュー隊の活動記録のビデオが流されていました。やはり、この企画は、今年の欠くべからざるものでしょう。

それから、盛況だったものの一つに、シナノケンシ(株)のプレクストークリンクポケットの体験会がありました。パソコンを使わないで、CDやサピエのデイジーオンラインサービスにつないで、デイジー図書が聴ける、まさに携帯型の再生機です。便利なものが、どんどん開発されて、喜ばしいことではありますが、格差がまた広がっていくのかなあと思いました。

しかし、会場でお目にかかったある全盲の社会人の方からは、誰の手も煩わせず、誰にも気兼ねなく、いつでも好きな物が読めるサピエはサイコー!という言葉も、一方では、聞こえるわけです。何とも複雑な気持ちになります。しかし、これが現実というものでしょう。

ともかく、今回も前述のお二人の他に、新入会員の若手の方々、相も変わらない当事務局のメンバーが、お手伝いさせていただきました。みなさんお疲れさまでした。ありがとうございました。

No.223 読み書き支援のためのシンポジウム

ようやく、12月3日に仙台市内で開かれるシンポジウムのチラシができあがりました。 これからの高齢者や障害者への、情報支援を考えるためのものです。都内での2度の読み書き支援員養成基礎講習会とシンポジウムを経て、形は多少、変わっていますが、仙台での開催となりました。

過去3回の開催経験から、当然と思っていることが、仙台を中心とした協力者のみなさんには、理解しずらいことがあるということを知りました。それぞれの立場、考え方があるということ、温度差があるということを、改めて、教わりました。それやこれやを、乗り越え、ここまで来ました。

視覚障害者だけではなく、高齢者や他の障害者も含め、読み書きに対する困難を抱えている人たちがいます。そういう現状を知った上で、私たちは今、何ができるかを、みんなで考えていきたいと思います。そして、パネルディスカッションでも、そのことをざっくばらんに、来場のみなさんと一緒に、話し合えたらいいですね。

いずれにしても、仙台市のみなさんは言うに及ばず、那須塩原、いわき、福島、盛岡、陸前高田のみなさんには、チラシの配布を含め、全面的にご協力をいただいていることに、心から、感謝申し上げます。さて、翌4日には、「被災の現場に学ぶ」ということで、いい表現ではないかもしれませんが、バスツアーを企画しています。

このことに関しても、いろいろな考えや思いが、あることも承知しています。しかし、現場に立つことの大切さ、そして、今後の関わりを考えるきっかけにしたいと考えます。ありがたいことに、すでに都内から、募集前にもかかわらず、申し込みがきています。 音訳ボランティアに限らず、色んな立場の一人でも多くの方に、参加していただきたいと思います。ぜひ、仙台でお会いしましょう。

尚、チラシ配布をお手伝いいただける方がいらっしゃいましたら、お知らせください。

No.222 出版UD研究会

一年ぶりに「出版UD研究会」が、専修大学神田キャンパスで開かれました。31回目となる今回は、「合成音声を活用した読書システムは、どこまで実現しているのか」という演題で日本電子出版協会の岡山さんから、お話がありました。

年間7万冊の新書が発売されているが、現状売れない。特に、雑誌の売上が、落ちていると、データが示されました。活字離れ、読書離れとも言われて久しいですが、方や、読みたくても読めない人が、増えている現状もあるようです。それは何も、視覚障害だけではなく、加齢によって細かい文字が、読みにくくなってきている人の存在もあります。

こういうなかで、危機感を持つ出版関係のみなさんを中心に、さまざまな取り組みが進んでいます。それにしても、合成音声の初期のものから最新のものまで、聞かせていただきましたが、進歩の跡は、歴然としています。利用者の「今出た本を、今読みたい」という声が紹介されましたが、早くなければ、情報ではない、ということが、今盛んに言われています。私たち音訳者も、しっかり、受け止めたいと思います。

ところで、この研究会は、ゲストスピーカーのお話は、もちろんですが、参加のみなさんとの情報交換も楽しみかつ、有意義です。いつもの松井さんはじめ、静岡からのKさん、今年3回目の出会いとなる高知の藤原さんと、たくさんの顔見知りの方、そして新しい出会いもありました。

さて、当ネットワークの6月の総会で「マルチメディアDAISY」に関する分科会を開きました。事例発表の一人に、関西のディスレクシアのお子さんを持つKさんを、お招きしました。義務教育までは、何とか確保できた教科書が、高校に進学したとたん、手に入らない。助けて、という、おかあさんの涙ながらの訴えを、覚えている方も多いことと思います。多くのアンケートに、「自分は、まだマルチメディアDAISYは、できないが、誰か、力を貸してあげて」と、ありました。結果、日本点字図書館、日本ライトハウス、九州大学数学プロジェクト、奈良DAISYの会、ATDOが協力して、支援をしているという、お知らせをいただいていました。日点のご担当の方にやっと、ご挨拶ができました。

「分科会に参加できて、本当によかった。何としても、このKさん親子の支援をしなくては」と、直ぐに取り組みを始められたとか。数学の教科書を見せてもらいました。たった一人のお子さんのために、こうして多くのみなさんが、立ち上がった。

小さなことかもしれませんが、このつなぎの役割を、果たせたとしたら、音ボラネットとして、こんなに嬉しいことはありません。関係の皆さまに改めて、お礼申し上げます。こういう出会いがあるので、また次回、この研究会に参加したいと思っています。

No.221 マルチメディアDAISY

都内青山の本社に移った、伊藤忠記念財団を、訪問しました。IMDプロジェクト(伊藤忠マルチメディアDAISYプロジェクト、以下IMDプロジェクト)のメンバーと一緒です。すでに、特別支援学校や図書館等に、寄贈配布されたマルチメディアDAISY図書に対してのアンケートの内容が気になっての訪問でもありました。

この図書の認知度は、特別支援学校の半数が、知らなかったと応えています。しかし実際、この図書は、障害のある子どもたちへの読書支援に役立つかということに関しては、全体で65%が、役立つと回答しています。特に、「様々な読みの障害のある子どもたちの、個に応じた読書が、可能になった」という声には、嬉しくなりました。

ただ、「DVDのように簡単に見られなくては、忙しい現場では困る」という声や「コピーガードが、かかっているため、開くまで、時間がかかりすぎる」という声もあります。また、会話文が多いものに対しては読み手を代える、特に子どもの声(子どもに音訳してもらう)で読まれていると、利用する子ども達が、入りやすいという、現場の先生の要望が、あったそうです。

すでに、全文音訳されたものに、子どもの声をかぶせるといった作業をしたものが、できあがっていました。地の文は、私たち音訳者、会話文は、子どもや男性の声と分かれていて、とても聴きやすく、興味がわきました。音源のみの提供をしている私たちにとっても、初めての経験でしたが、編集製作をしている財団のみなさんも、試行錯誤の繰り返しだったはずです。

現在、提供する側のマンパワーは、教科書作りに、特化されています。しかし、子どもたちの心の成長には、読書は、欠かせません。ですので、子ども向けのマルチメディアDAISY図書が、作られ始めた意義は、大きいと思います。ましてや、企業の取り組みです。

コピーガードがかけられていることへの批判など、いろいろあるようですが、このことも含め、改善すべきは改善していきたいと、担当の矢部さんたちは、おっしゃっていました。始まったばかりの取り組みです。子どもたちの笑顔のために、これからも協力させていただきたいと思っています。

No.220 お手伝い急募

今年もまた、サイトワールドが始まります。視覚障害者向けの総合イベントです。ここでは、最先端の技術・機器、及び日常用品等の展示会、そして講演会、学会、フォーラム、体験会等が催されます。世界でも例を見ない視覚障害者のための総合イベントです。また、お手伝い要員の依頼が、きました。

こういった協力依頼に関しては、ほとんどいつも、当音ボラネット事務局のみんなに、引き受けてもらうことばかりで、負担をかけています。これを、読んでくださっているみなさん、助けてくださいませんか。

お手伝いいただきながら、交代で、会場をみることも可能です。内容は、受付、会場案内等です。

開催期間の11月1日〜3日まで、1日通し、もしくは、午前のみ、午後のみでもかまいません。22日までにご連絡をいただけると、幸甚です。

詳しくは、こちらから(外部リンク)

以上、よろしくお願い申し上げます。

No.219 全国図書館大会調布大会に参加

初日、全体会での岩手、宮城、福島の図書館館長、職員、教育委員会のみなさんによるシンポジウムが、ありました。緊急時において、「文化」などということは、二の次、三の次になるのは当然でしょう。そして、テレビや新聞などでも、図書館がどうなっていて、どんな取り組みをしているのかなどということは、ほとんど報道されません。

このシンポジウムのおかげで、陸前高田市のように、図書館が流され、職員のみなさんが、亡くなり、南三陸町でも、館長が亡くなったこと、地震や津波の被害は受けなかったものの、本に付着した放射能のことや、本にはさまったガラスの破片のことなど、知りました。ほんとうに、なんということでしょうか。そんな中、移動図書館車のことや、南三陸町の仮設図書館で、子どもたちの笑顔が戻った話に、感動を覚えました。図書館の存在について考えました。

さて、2日目は「障害者サービス」の分科会に参加しました。ここでは、待ちに待った、「全国版録音図書制作基準」についての発表があるということもあり、たくさんの顔見知りの熱心な、音訳ボランティアのみなさんが、参加していました。

詳細については、このHPにも、掲載されていますので、ぜひご確認ください。まず、3年もかけてまとめてくださった関係の皆様に、お疲れさまでしたと申し上げます。今後、この基準を広めていくことが、大切になるでしょう。

1月24日には、江戸東京博物館で学習会が、予定されています。また、引き続き関西での開催も、考えられているようです。

特に公共図書館、社会福祉協議会や地域のボランティアのみなさんは、ぜひ、参加してほしいと思います。原本の順番どおり、原本に忠実に読んでほしい、利用者のための基準、利用者の立場に立ってほしいと、当事者でもある図書館職員の中山さんが、声を大にして言われていました。

また、この分科会では、障害者サービス委員会委員長の佐藤さんから、著作権法が変わったのに図書館が、変わっていない。障害者サービスの実施館が、増えてはきているが、なかみがついていっていない、などといった指摘が、多数ありました。身内で、こういった厳しい指摘ができるのは、きっと、公共図書館が、正常に機能しているということでしょう。期待したいと思います。

No.218 12月3日のシンポジウムに向けて

12月3日の仙台市内での、「読み書き支援のためのシンポジウム」の打合せで、9月27日に続き10月5日の早朝、仙台に向かいました。

仙台が、日帰り圏内だとは、今回のことがなければ知りませんでした。以前、音ボラネットの総会を地方でも開いてほしいという要望があり、事務局で検討したことがありました。今回のことは、主催がこちらではないので、気楽といえば気楽なのですが、都内の団体が、地方で開くイベントという点では、似通うものがあります。

正直、大変さを身に染みて感じました。主催者が当然と考えていることが、現地ではそうではないことに、気づかされました。いわゆる、温度差というのでしょうか。

現地のみなさんに目的等を理解、賛同していただかないことには、前に進めません。ましてや、それぞれの音訳グループの代表であれば、なおさら慎重にならざるを得ない立場もわかります。いくらITの時代とはいえど、メール等のやりとりだけでは、こちらの思いが伝わりにくい。一回より二回、顔を合わせることの大切さを、改めて考えました。

視覚障害等の当事者のみなさんにすれば、ご自分たちの権利として制度化したいという願いは、よくわかっているつもりです。でも、すぐに実現可能なこととは思えません。行政を動かし、法律も変え、となると、実施までどれくらいの時間がかかるのでしょうか。

今、支援を必要としている人がいるかぎり、私たちは、サポーターとして、今できることをやるしかない。そのベターな方法を、みんなで考えるきっかけ作りのためのシンポジウムだと、私は思うのです。地元のみなさんのお力を、お借りするしかないと訴えました。ありがたいことに、最終的に思いを共有することができました。

お陰さまで、このネットワークの存在のありがたさを噛みしめたしだいです。チラシができたら、あそこにもここにも配りましょうということになり、当日が楽しみになりました。

尚、この打合せに先立ち、石巻に伺いました。石巻市図書館館長に、お目にかかりました。ここには、点訳ボランティアしかいないということ。社協などで広報を読んでいる音訳者が、いるはずということでしたが、残念ながら詳細はわかりませんでした。

ところで、高台にある図書館が避難所になっていたとは、知りませんでした。まだ、二人の方が、身を寄せていました。帰りぎわに、館長が、「被災現場を見ていってください」と、言われました。日和山に上りました。広い公園になっていて、急な階段を上りきった所に、鳥居があります。あの時は、津波をすぐ後ろに感じながら、必死で鳥居を目指したと、地元の方に伺いました。いつも熱心に、都内での講習会やシンポジウムにきてくださる鈴木さんが会いにきてくれました。

12月3日には、仙台に伺いますと。どれだけの、どのような思いを抱えているのか、端から想像もできませんが、心強いです。なんとか、多くの方々に参加していただきたいと思います。

No.217 第20回全国ボランティアフェスティバルTOKYO

「全国ボランティアフェスティバル」は、1992年の兵庫県での開催を皮切りに全国を回り、20回目の節目に当たる本年、「全国ボランティアフェスティバルTOKYO」(以下ボラフェス)が11月12日13日の二日間、両国エリアと青山エリアで開かれます。当音ボラネットでは、13日の青山学院大学での分科会を予定しています。

東京ボランティア・市民活動センター(以下ボラセン)副所長の竹内さんから、参加のお誘いをいただき、日頃お世話になっているボラセンのこと、二つ返事でお引き受けしました。しかし、当方も6月の総会に向け、準備をしている最中でした。そして、東日本大震災が、起こりました。

ボラセンでは、各地からの災害ボランティア希望者への対応と救援物資の受付、整理発送等で、混乱を極めていました。一時は、ボラフェスが、本当に開催できるのかと思いました。そんな中、当方の勘違いや担当者との行き違いで、ハラハラする場面もありましたが、何とか準備も大詰めを迎えました。

「視覚障害者の読書をサポート〜あなたにもできること〜」のテーマの下、体験型の分科会となっています。筑波技術大学教授であり、全盲の長岡英司先生には、「利用者の立場から音訳を考える」をテーマに、講演をお願いしています。また、(株)シナノケンシには、録音機材(DR1)や再生機(プレクストーク)をお借りし、音訳体験やマンガ等のCDを試聴できるよう準備しています。また、担当の山岸さんのお話も、伺います。

現在の音訳活動は、文字情報を肉声で読むだけではなく、利用者のニーズの多様化に伴い、パソコン活用の場が増えています。若いみなさんの活躍の場があります。

参加に当たっては事前の申し込みと参加費(3000円)が、必要です。学生さんは無料なので、ぜひ参加してください。申し込み締め切りは10月28日です。

東京ボランティア・市民活動センター(外部リンク)

No.216 山内 薫さんと学ぶ障害者サービスの明日

当初3月に予定されていた、山内薫さん(墨田区立あずま図書館)の「定年を祝う会」が、今月都内で開かれました。「山内薫さんと学ぶ障害者サービスの明日」のテーマの下、学習会という形で行われ、遠方からや、障害者の方も参加していまし。「墨田に、山内さんあり」とは、昔から、聞き及んではいましたが、実際のお付き合いは、当音ボラネットの総会(本年6月開催)の分科会へのお誘いを通してでした。その後、読み書き(代読・代筆)支援員養成講習会やシンポジウムで、ご一緒させていただいています。

40年以上にわたり、障害者サービスの向上に、尽力されてきた方であり、そのための行動の人でもあります。会場で、若かかりし頃の活動の様子が流されましたが、すべての図書館利用に障害のある人のために、図書館という建物から飛び出し、利用に困難を抱える人々に、寄り添う姿勢を貫かれた方です。老人ホームや知的障害者施設等に、出張し、本の貸し出しのみならず、紙芝居やお話、歌なども続けてこられた方です。

このような図書館職員の鏡のような山内さんの姿勢を引き継ぐ人は、出てきているのでしょうか。「思い」は共有できたとしても実践はかなり難しいのではないでしょうか。職員の数が足りない、予算がないという現状ではないかと思います。また、一概に職員の意識の低さとだけ言えない時代の壁、というようなものがあるように思います。それでも、山内さんの「思い」を受け継ごうと努力している人もいます。「思い」を共有することから、見えてくること、できることがあります。期待したいと思います。

尚、今回の記念品代は、南相馬市にある仮設住宅に子どものための本や紙芝居を送る資金としたい、というご報告をいただきました。どこまでも、山内さんらしいと感動しました。

さて、私は、この山内さんの推薦で「図書館雑誌」2011年9月号(日本図書館協会発行)に、一文を書かせていただきました。「著作権法改正と障害者サービス」に関して「拝啓 公共図書館さま」として、思いの丈を綴りました。かつて、公共図書館にも、社会福祉協議会にも属さず、まったくの地域ボランティアとして活動していた頃から感じてきたこと、そして今、全国の音訳ボランティアの代表という立場で、多くの会員の思いを代弁するつもりで、書きました。

今の私の立ち位置の如く、何の制約も受けず、自由な立場で書かせていただきました。こういう場を与えてくださった編集委員の山内さんはじめ、関係のみなさまに改めて、お礼を申し上げます。