No.468 科学へジャンプ

「視覚障害児のための科学へジャンプ地域版フォーラム2019」が筑波大学附属視覚特別支援学校(以下附属盲)で開かれました。昨年に引き続きの参加です。
次回もぜひ、お声をかけてくださいと、鳥山由子先生にお願いしていました。

参加者の半分は盲学校の先生ですが、もう半分は博物館関係者や私も含めた一般の人たちです。さまざまなジャンルの人から注目されているワークショップだと思います。

鳥山先生は、生徒が参加するには、保護者同伴が原則で、本人は、来年もまた来たいというが親はもういいでしょという。生徒は何とかして親を説得してやってくる。私たち実行委員は頑張らないといけないと、おっしゃっていました。

講演1は、沖縄美ら島財団学芸員の横山季代子さんでした。
「視覚に障害のある人も楽しめる水族館をめざす取り組みの経緯と科学へジャンプとの関わり」です。

当初、館長の一言でお金をかけて、プラスチネーション標本(生物標本の組織内の水分や脂肪分を合成樹脂に置き換えた標本)を作ったが、反響の方は今一。
鳥山先生や先生の後輩に当たる武井洋子先生との出会いによって、指導法を学び、「科学へジャンプ」でワークショップを開催。

来館した視覚障害者に対して実施する「触察対応」
県内外の特別支援学校での標本を使った授業を行う「講師派遣」
標本を貸し出す「標本貸出」を行っています。

「科学へジャンプ」で実施しているワークショップは「サメの不思議について」です。附属盲の生徒が2名参加。実際に触察します。

両手で触って全体像がわかるように、ホウライザメの仔の液浸標本と基本形の魚との比較のためにコイの標本とを並べて置きます。

さらには、オオメジロザメの顎骨、皮膚、歯、鱗など乾燥標本や触察用サメ頭部のぬいぐるみ模型など、さすが生徒の触察はスムーズです。ワクワク、ドキドキ感が伝わります。

講演2、武井先生からは、「盲学校の長年にわたる授業研究から生まれたワークショップー骨は語るー」は、40年も続く授業で、はっきり言って筑波盲でなければ、できないものです。視覚障害者には、学ぶことが難しいとされていた「生物」の授業を確立してきた先生方の情熱がすごいと思います。

講演3 「盲学校で育んだ耳をベースに工夫したワークショップ」は、卒業生で、ヤマハにお勤めで、大学にも講座をお持ちの佐々木幸弥さんで、大変楽しい方でした。
自前の蓄音機を持ち込み、日本点字の父と言われる、石川倉次氏の肉声を聞かせてくださいました。ひじょうに、明瞭でした。

さて、1877年、トーマス・エジソンが発明した「話す機械」フォノグラフ。音を記録し、再生することのできる最古の録音技術です。はからずもここで、私たちの原点に出会えました。

今回も期待を裏切られないワクワク、ドキドキのワークショップでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です